1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本住血吸虫の感染防御および肉芽腫形成におけるIL-18の機能解析
Project/Area Number |
10670245
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
平田 瑞城 久留米大学, 助教授 (70080629)
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Keywords | 日本住血吸虫 / 虫卵 / 肉芽腫 / IL-18 / サイトカイン / マウス |
Research Abstract |
IL-18は兵庫医大の岡村氏らによりクローニングされた新規のサイトカインであり,IL-12と協同してIFN-g産生を高めることが明らかになっている.このことから,種々の病態,特に感染症におけるIL-18の機能的役割を明らかにすることが重要となってきた.本研究の目的は日本住血吸虫の病態,特に虫卵周囲肉芽腫形成および感染防御における本サイトカインの役割を追求する事である.本年度(平成10年)では実験的肝肉芽腫形成モデルを用い,サイトカインと肉芽腫形成との関係について検討した.虫卵周囲過敏型反応を取り巻くサイトカインネットワークは複雑であるため,いくつかの基礎的実験を含めて下記の項目について検討した. 1.IL-18のin vitro,in vivoにおける機能解析 2.他のサイトカイン(IL-2,IL-4,TNFα,MCP-1,IFN-γ,IL-5,IL-10)の産生 3.種々のマウス系統(C57BL/6,CBA/J,SJL/J,B10,B10S,A.SW)における肉芽腫形成の特徴とサイトカイン産生との関係.4.IL-4やIFN-γknockout mouseにおける肉芽腫形成とサイトカイン産生.5.NO inhibitor(L-NIL,L-NAME)投与によるサイトカイン産生の影響と肉芽腫形成の変化.6.肉芽腫形成過程における細胞接着因子やその他の分子(iNOS等)発現の免疫組織学的検討. 上記の項目はIL-18に限っていないが,総合的にサイトカインの役割を判断するために必要と考えられた.これらの結果の一部はかなりまとまりつつあるが,なお,検討すべき課題も残されているため,十分検討した上で報告する予定である.
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