1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本住血吸虫の感染防御および肉芽腫形成におけるIL-18の機能解析
Project/Area Number |
10670245
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
平田 瑞城 久留米大学, 医学部, 助教授 (70080629)
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Keywords | IL-18 / サイトカイン / 日本住血吸虫 / 虫卵 / 肉芽腫 / 感染防御 |
Research Abstract |
前年度,リコンビナントIL-18を用いて日本住血吸虫虫卵周囲肉芽腫形成との関係をin vivo,in vitroで検討した.その結果,各種細胞の浸潤あるいは肉芽反応の程度に有意な変化を認めなかった.今年度はIL-18の発現を中心に種々の状況で検討した.即ち,セルカリア抗原,虫体抗原,虫卵抗原を1ug-100ugを1-4回マウスに経静脈或は腹腔内投与して脾臓,肝臓(肝臓実質,肉芽腫),肺,腸管における発現誘導を試みた.その結果,いずれも誘導できなかった.腸管においては刺激が無くても正常マウスで陽性細胞が観察された.即ち,IL-18の発現を認めたのは腸管が唯一の臓器であったが,その機能的意義は不明である.それ故,現在,住血吸虫感染(感染防御,肝臓肉芽腫)におけるIL-18の役割はまだ不明のままであり,その関与に否定的な結果も予想される.このことを明確にするためには更に完全にIL-18が欠損しているIL-18ノックアウトマウスを用いた方が良いと考えられる.それ故,現在IL-18KOマウスにおける実験を計画中である. その他,現在進行中の日本住血吸虫の感染防御,病理に関係する検討事項を記す. 1.日本住血吸虫の各発育ステージにおけるTGFβの発現. 2.NOの虫卵肉芽腫形成における役割. 3.IL-4,IFN-γ欠損マウスにおける虫卵肉芽腫の観察. 4.感染防御と虫卵肉芽腫形成における好中球の役割を特異抗体を用いて検討.
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