遺伝子銃による細胞内寄生菌に対する指向性DNAワクチンの研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10670252
• Research Institution: Hamamatsu University School of Medicine
• Principal Investigator: 小出 幸夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30126809)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉田 篤司 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10242778) ; 永田 年 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90275024)
• Keywords: DNAワクチン / 細胞障害性T細胞 / Th1細胞 / 細胞内寄生菌 / 感染防御 / 遺伝子銃

Research Abstract

Listeria monocytogenesを細胞内寄生菌のモデルとし、この菌に対する感染防御に重要な細胞性免疫反応、すなわち、細胞傷害性T細胞(CTL)とTh1細胞を任意に感作できるDNAワクチンの開発を行っている。現在、遺伝子銃によるマウスへの接種で以下のDNAワクチンの作製に成功している。
[CTL誘導型DNAワクチン]1)pLLO91-99,2)p60 217-225,3)p60 449-457:このうち、1)、2)がBALB/cマウスにCTLを強く誘導でき、3)のCTL誘導能は弱かった。これらはTh細胞(CD4+T細胞)非依存性にCTLを誘導した。さらに、これらはL.monocytogenesに対する感染防御能を誘導できたが、その防御能は生菌免疫に比べると弱かった。
[Th1細胞誘導型DNAワクチン] MHCクラスIIリガンドをIi鎖のCLiPと置換することで初めてTh1細胞を感作できるDNAワクチンを開発できた。すなわち、1)pCl-mli p41-LLO215-226,2)pCl-mli p41-p60 301-312を遺伝子銃で、各々C3H,BALB/cマウスに接種すると、LL0215-226およびp60 301-312に特異的に試験管内増殖反応を示すT細胞を感作できた。また、これらのT細胞は抗原特異的にIFN-gammaを産生した。今後、これらのワクチンの感染防御能の検討を予定している。また、CTL誘導型とThl誘導型ワクチンの併用効果も検討する予定である。

Research Products

• [Publications] Koide,Y.: "DNA vaccines for infections with intracellular bacteria." Current Trends in Immunology. (in press).
• [Publications] Uchijima,M.: "Optimization of codon usage of plasmid DNA vaccine is required for the effective MHC class 1-restricted T cell responses against an intracellular bacterium." Journal of Immunology. 161. 5594-5599 (1998)
• [Publications] Kageyama,Y.: "Reduced susceptibility to collagen-induced arthritis in mice deficient in interferon-gamma receptor." Journal of Immunology. 161. 1542-1548 (1998)
• [Publications] 小出幸夫: "DNAワクチンの展望" 分子呼吸病. 2(2). 61-63 (1998)
• [Publications] 小出幸夫(分担): "Annual Review免疫1999" 中外医学社, 329 (1998)