2000 Fiscal Year Annual Research Report
病原ビブリオにおける鉄欠乏ストレス応答の分子遺伝学的並びに病原学的研究
Project/Area Number |
10670257
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 重雄 岡山大学, 薬学部, 教授 (40033229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成松 鎭雄 岡山大学, 薬学部, 教授 (20113037)
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
|
Keywords | 病原ビブリオ / 鉄制御遺伝子 / 遺伝子解析 / 鉄獲得系 / 病原因子 / ストレス応答 / 鉄輸送系 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
1.鉄制御遺伝子群の全長遺伝子クローニングと解析:V.parahaemolyticusより3種の鉄輸送キレーターの外膜レセプター遺伝子および生合成遺伝子をクローニングし、解析した。いずれもプロモーター領域にFur box(鉄制御に関わる特異的DNA配列)を持っており、鉄欠乏に応答して転写されることが示された。自身の産生しない鉄輸送キレーターを利用できることは本菌の色々な局面での増殖に有利に働くと考えられる。さらに、V.mimicusの2種の鉄獲得系オペロン遺伝子、aerobactionオペロン(4種の生合成遺伝子と1種の外膜レセプター遺伝子)および輸送系オペロン(3種の遺伝子)をクローニング、解析した。これらオペロンはタンデムに存在しており、腸内細菌科の菌種におけるaerobactinを介する鉄獲得系には見られない珍しい遺伝子構成であることが判明した。 2.当該遺伝子の機能解析:相同組み換えに基づく遺伝子破壊法によって、1)で得られた遺伝子の欠損株を作成した。これらの欠損株では鉄輸送キレーターの産生や利用能が欠失しており、当該遺伝子の確実な機能が証明できた。現在、これらの株と親株を実験動物に接種し、その毒力を比較することによって、鉄獲得系の病原性発現に及ぼす影響を検定中である。 3.上記以外にも、ホスホリパーゼD,ATP依存性プロテアーゼ、二成分制御系をコードする鉄制御遺伝子群のクローニンを完了しており、当該蛋白の機能解析やターゲット遺伝子の解明を継続中である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Tatsuya Funahashi: "Characterization of Vibrio parahaemolyticus manganese-resistant mutants in reference to the function of the ferric uptake regulatory protein"Microbiology and Immunology. 44(12). 962-970 (2000)
-
[Publications] Ryoko Kimoto: "Identification and characterization of the sodA genes encoding manganese superoxide dismutase in Vibrio parahaemolyticus, V.mimicus, and V.vulnificus"Microbiology and Immunology. 45(2). 135-142 (2001)