1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウエルシュ菌α毒素遺伝子のプロモーター上流に存在するベント構造の機能解析
Project/Area Number |
10670260
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
片山 誠一 香川医科大学, 医学部, 助手 (70169473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 治 香川医科大学, 医学部, 助手 (00209537)
南 純三朗 香川医科大学, 医学部, 助教授 (40157566)
岡部 昭延 香川医科大学, 医学部, 教授 (20093677)
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Keywords | 転写調節 / Clostridium perfringens / ホスホリパーゼC / phased A-tracts / ベントDNA / UPエレメント |
Research Abstract |
ウェルシュ菌ホスホリパーゼC遺伝子(plc)のプロモーター上流の3つのphased A-tractは折れ曲がり(ベント)構造を形成し、転写活性を促進する。我々はこの領域をUAS「upatream activation sequence」と命名した。UASとRNAPとの相互作用と転写促進の分子機構を明らかにするため、平成10年度は以下の研究を行った。 UASによる折れ曲がりの度合い(低温で増強)と転写活性の相関を調べた。UASを持つplcプロモーター断片(3Ap)と欠く断片(0Ap^1)を鋳型DNAとして等モル共存させるin vitro転写を行った。転写量の比(3Ap/0Ap^1)は、25℃で31倍、37℃で4.6倍、45℃で1.9倍となり、低温ほど転写促進効果が顕著であった。 UASの転写促進効果は低温において形成されるベント構造によるものであることが示唆された。 大腸菌rrnB遺伝子等で提唱されているUPエレメントのコンセンサス配列とUASの配列は-41〜-44と-47〜-57の範囲で73%とよく一致する。大腸菌rrnB P1プロモーター上流のUPエレメントとplcプロモーターを持つ断片(+UP-plc)と欠く断片(-UP-plc)で、転写量比(+UP-plc/-UP-plc)を調べた。おもしろいことに25℃で14倍、30℃で8倍、37℃で4倍、41℃で3倍、45℃で4倍となり、弱いながらUPエレメントによるplcプロモーターの転写促進も低温依存性であることが示された。UPエレメントによる転写の活性化はその配列にRNAPのαサブユニットのC末領域が結合することによると考えられている。以上のことからUASによる転写促進にはαサブユニットが関与していることが強く示唆された。現在、αサブユニットのどの領域にUASが結合するのか明確にするための研究を申請書通り進めている。
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