1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670263
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
仲宗根 昇 琉球大学, 医学部, 助手 (80175497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本馬 恭子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90253955)
岩永 正明 琉球大学, 医学部, 教授 (00112384)
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Keywords | コレラ菌 / 定着因子 / LPS糖鎖 / 外膜蛋白 |
Research Abstract |
我々は、コレラ菌の感染防御抗原として、fucose sensitive hemagglutinin(FSHA)に着目し、これまでクラシック型コレラ菌86B3株の外膜から、物理・化学的手法を用いて、FSHAの精製を試みてきたが、うまくいっていない。今回、遺伝子技術を用いて、FSHAの精製を試みた。Tn5+pCHR81を持つE.coliMC1061と86B3をfilter matingさせ、pCHR81を86B3に取り込ませた。その後、Tn5をchromosome上にtranspositionさせ、37℃で生えてきた株からFSHAのない株をスクリーニングした。1000株以上拾った中から、FSHAを欠損した21株を選びだした。その変異株の内、Mu-5のウサギ腸管に対する付着能は、野生株と比べ著しく低下していた。Mu-5株のFSHAの発現を培地・培養条件を変えて調べたが、調べたどの条件下でも発現していなかった。しかし、コレラ菌の他の病原性関連因子として知られるコレラ毒素、TCP線毛、MSHA線毛、外膜蛋白OmpUは、発現していた。この結果は、86B3株において、これら病原性関連因子は、付着に関与していないことを示している。次に、Mu-5から外膜を調整し、野性株の外膜蛋白と比較して、FSHA蛋白の同定を試みたが、蛋白数が多く、Mu-5特有に欠損している蛋白を同定できなかった。そこで野生株全菌に対する抗血清をMu-5外膜蛋白で吸収した。この処理により、野生株の外膜のみにある蛋白抗原に対する抗体が、残るはずである。この吸収血清で、野性株とMu-5株の外膜蛋白のWestern blottingを行ったところ、72kDaと50kDaあたりの位置に野性株特有に反応する蛋白が同定できた。Mu-5株は、鞭毛形態はもつが、運動性がなく、溶血活性は、野性株に比べ高いことなど、まだ検討すべき点は残っているが、Mu-5株吸収血清に反応した野性株の外膜蛋白がFSHAの可能性があり、現在、この蛋白の分離・精製を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakasone N.: "Filamentous phage fs1 of Vibrio choleraeO139."Microbiol.Immunol.. 42(3). 237-239 (1998)
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[Publications] Yamashiro T.: "Etiological study of diarrheal patients in Vientiane,Lao People's Democratic"J.Clin.Microbiol.. 36(8). 2195-2199 (1998)
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[Publications] Nakasone N.: "Characterization of outer membrane protein OmpU of Vibrio choleraeO1."Infect.Immun.. 66(10). 4726-4728 (1998)
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[Publications] Yamashiro T.: "Bacteriological study on Vibrio parahaemolyticus isolated from the outbreak of diarrhea in Laos,an inland country."Jpn.J.Trop.Med.Hyg.. 26(4). 319-322 (1998)
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[Publications] Tamamoto T.: "Adhesive Property of Toxin-Coregulated Pilus of Vibrio cholerae O1"Microbiol.Immunol.. 42(1). 41-45 (1998)
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[Publications] Nakasine N.: "A filamentous phage of Vibrio parahaemolyticus O3:K6 isolated in Laos"Microbiol.Immunol.. 43(4). 385-388 (1999)