1999 Fiscal Year Annual Research Report
DNAのCpG配列とサイトカインによる緑膿菌に対する細胞性免疫の増強と感染防御
Project/Area Number |
10670265
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Research Institution | AKITA PREFRCTYRAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福島 淳 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (00181256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 一大 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30145700)
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Keywords | 緑膿菌 / DNA免疫法 / IL-2発現プラスミド / 細胞性免疫 / 遅延型過敏症反応 / 細胞障害性T細胞 / 線毛抗原 / 感染防御 |
Research Abstract |
昨年度は、鞭毛抗原遺伝子の発現プラスミドを直接マウス生体に投与し、免疫する方法を開発した。この方法で免疫すると、鞭毛抗原特異的な血清中のIgG抗体、糞便中のIgA抗体が産生された。また、抗原特異的な遅延型過敏症反応、細胞障害性T細胞の活性が検出され、さらに、感染防御能もある程度上昇した。 本年度は、感染防御能を高めるために、線毛抗原遺伝子の発現プラスミドを構築した。このプラスミドをマウスに経鼻的に投与すると、抗原特異的な抗体および細胞性免疫活性が検出された。また、このさい、投与量は、鞭毛抗原プラスミドの1/5程度で同等以上の遅延型過敏症反応が観察され、より強い抗原性を持つことが確認された。また、鞭毛抗原遺伝子の研究から、細胞性免疫を低下させると感染防御能が低下することから、細胞性免疫が感染防御にある程度の役割を演じている可能性が示唆されていた。そこで本年度は細胞性免疫活性の増強を目的に、CpG配列を持つIL-2発現プラスミドの同時投与を行った。その結果、線毛抗原プラスミドの単独投与にくらべて、抗体産性にはほとんど影響がなく、遅延型過敏症反応のみを約1.5倍に増強させることができ、感染防御機能の強化に繋がると考えられた。これら二つのプラスミドとIL-2発現プラスミドなどを組み合わせることにより、さらに強い免疫効果が得られることが期待された。また、細胞表面抗原についても同様の発現プラスミドの構築をすすめていて、これらの組み合わせで、緑膿菌感染症に対する防御効果がさらに高まると考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐々木 律: "DNAワクチンの現状と展望-感染症制圧のための新たなアプローチー"日本細菌学雑誌. 53・2. 407-424 (1998)
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[Publications] 福島 淳: "第32回緑膿菌感染症研究会講演記録"緑膿菌感染症研究会. 159 (1998)
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[Publications] K.Okuda: "Methods in Molecular Medicine,vol.29.DNA Vaccine"Humana Press. 353 (1999)