1999 Fiscal Year Annual Research Report
サイトメガロウイルス胎内感染による脳の神経細胞死の発生機序に関する実験的研究
Project/Area Number |
10670284
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
筒井 祥博 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50073135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 伊三夫 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10252173)
馬場 聡 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (10242760)
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Keywords | サイトメガロウイルス / 胎内感染 / 神経細胞死 / アポトーシス |
Research Abstract |
サイトメガロウイルス(CMV)は胎生期に感染によって脳障害の生ずる最も頻度の高い病原微生物である。私達はマウス CMV (MCMV)を胎生期のマウス脳に感染させて生後における脳障害を組織学的に解析する実験モデルを作成した。このモデルにおいて、MCMVの感染によって新生マウス脳にアポトーシスが誘導されることを明らかにした。アポトーシスが誘導される細胞は、神経細胞、グリア系細胞は数パーセントと少なく、ミクログリアに多かったが、これはミクログリアがアポートシスに陥っているというより、アポトーシスに陥った細胞を貧食している可能性が高かった。MCMV感染によって神経細胞が脱落、消失しやすいことから神経細胞にアポトーシスが誘導される可能性が高い。TUNEL法と免疫染色の二重染色によりウイルス感染細胞がアポトーシスに陥る可能性が少ないことより、神経細胞死はMCMV感染による間接的作用と考えた。初代培養神経細胞にグルタミン酸添加または、血清除去法でアポトーシスを誘導する系にMCMVを感染させるとアポトーシスが抑制される傾向を示した。CMVによる神経細胞のアポトーシスの誘導はサイトカインなどによる間接作用の可能性がある。この点に関しては大脳スライス培養にMCMV感染させ各種サイトカインを添加する実験系で解析している。 CMVの前初期(IE)遺伝子発現がアポトーシスの誘導を抑制するという論文があり、MCMVのどの遺伝子がアポトーシスを促進あるいは抑制するかを知るためにマウス神経芽細胞培養株(N18TG2)にIE遺伝子および早期遺伝子を導入したトランスフォーマント(変異株)を作成した。これらのアポトーシスの誘導はIE発現株では促進されたが、早期抗原発現株では変わらなかった。さらにIEのうち、ie1,ie2,ie3の3種類の遺伝子を導入した変異株を作って検討している。
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[Publications] Li R-Y: "Growth retardation and microcephaly induced in mice by placental infection with murine cytomegalovirus"Teratology. (in press). (2000)
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[Publications] Shinmura Y: "Migration of virus-infected neuronal celles in cerebral slice cultures of developing mouse brains after in vitro infection with murine cytometalovirus"Acta Neuropathologica. 98. 590-596 (1999)
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[Publications] Tsutsui Y: "Neuronal migration disorders in cerebral palsy"Neuropathology.. 19・1. 14-27 (1999)
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[Publications] Aiba-Masago S: "Murine cytomegalovirus immediate-early promoter directs astrocyte-specific expression in transgenic mice"American Journal of Pathology. 154・3. 735-743 (1999)
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[Publications] Kosugi I: "Murine cytomegalovirus induces apoptosis in non-infected cells of developing mouse brains and blocks apoptosis in primary neuronal culture"Acta Neuropathologica. 96. 239-247 (1998)
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[Publications] 筒井祥博: "マウスにおけるCMV感染とその影響"産婦人科の実際. 48・5. 655-663 (1999)
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[Publications] 筒井祥博: "サイトメガロウイスルによる脳発達障害の発生機序"病理と臨床17 臨時増刊号-日本人の病気と病理学. 17. 332 (1999)
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[Publications] 筒井祥博: "Latent Infection Pathology(LIP)第4巻"菜根出版. ((in)