1999 Fiscal Year Annual Research Report
水痘帯状疱疹ウイルスによる神経障害の発症機序の解析
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10670292
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
岩崎 琢也 国立感染症研究所, 感染病理部, 室長 (90146027)
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Keywords | 水痘帯状疱疹ウイルス / 帯状疱疹 / 皮膚 / 前初期遺伝子 / 後期遺伝子 / 脱髄 |
Research Abstract |
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は初感染後、体内に潜伏し、その再活性化にともない帯状疱疹を引き起こす。患者の同意のもとに帯状疱疹の皮膚病変部の生検組織のウイルス病理学的解析を行い、VZVの前初期遺伝子産物と後期遺伝子産物の発現を経時的に解析した。さらに、前初期遺伝子UL61ならびにUL63産物を認識する抗体を用いて免疫組織化学的に検討も行った。早期病変である紅斑期の真皮上層の血管周囲に浸潤するリンパ球がUL63産物に対する抗体で陽性となり、さらに末梢血単核細胞中のウイルスゲノムをPCRにより検出され、VZVが感染したリンパ球が体内を循環しうる可能性を示しだした。このリンパ球は細胞表面マーカーの検索によりT細胞であることが判明し、皮膚病変部においてこれらのTリンパ球により細胞性・液性応答が誘導されていることが明らかにされた。さらに、末梢神経内でのこの抗原の発現を検索し、神経周囲膜ならびにSchwann細胞が陽性となり、Schwann細胞の感染が脱髄をきたし、最終的に神経軸策がむきだしになることが神経痛の発症の機転として重要であることが判明した。 今後の課題として、本研究ではSchwann細胞の感染が個々の皮疹の後期に生じ、かつ後期病変を来さない皮疹では生じにくいことを明らかにしたが、早期の皮疹においてウイルスがSchwann細胞に感染する機序ならびにその防止方法を明らかにする必要がある。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Iwasaki T.,Muraki R.,Kasahara T.,Sato Y.,Sata T.,Kurata T.: "Pathway of viral spread in herpes zoster : Detection of the protein encoded by open reading frame 63 of varicella-zoster virus in biopsy specimens"Archives of Virology. (印刷中). (2000)