1998 Fiscal Year Annual Research Report
HCV遺伝子の3'末端構造がHCVのライフサイクルにおいて果たす役割
Project/Area Number |
10670294
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
田中 寅彦 国立がんセンター, 研究所・ウイルス部, 研究員 (90171785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 宣之 国立がんセンター, 研究所・ウイルス部, 室長 (40150883)
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Keywords | HCV / 3'X / NS5B / PTB / RNA複製 |
Research Abstract |
本研究においては,HCV遺伝子の3′末端部に存在する3′X配列がHCVのライフサイクルにおいてどのような機能を果たすかを明らかにすることを目的としている。初年度は下記について詳細な検討を行った。 (1) 3′X配列がどのような細胞性たんぱく質と相互作用するか これについては,UVクロスリンク法による解析で,我々が既に報告しでいるPolypyri-midine Tract Binding Protein(PTB)以外に,いくつかの細胞性たんぱく質が3'X配列に特異的に結合することを見いだした。しかしこれらが何であるかを同定する試みはまだ成功していない。一方,酵母の系を用いでRNA結合たんぱく質の遺伝子クローニングを行う方法を3′X配列に試みたところ,いくつかの遺伝子が同定された。現在,これらが機能的に有意な相互作用を持つかどうかを検討中である。 (2) 3′X配列がHCVの遺伝子産物とどのような相互作用をするか これについては,まずHCVの遺伝子複製酵素であるNS5B遺伝子産物に着目して解析を行い,NS5Bと3′X配列が相互作用することを見いだした。また,この作用様式について興味深い知見が得られており,たんぱく,RNA双方についての作用部位の解析などを含めて現在進行中である。 (3) 3′X配列と相互作用することが見いだされたPTBなどがNS5BによるRNA複製活性に及ぼす作用などについて検討を行っており,興味深い知見が得られている。
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[Publications] Torahiko Tanaka: "in Hepatitis C Protocols,edited by J.Yiu-Nam Lau" Humana Press,Totowa,New Jersey, 621 (1998)