1999 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたIL-1の免疫反応及びストレス応答における機能解析
Project/Area Number |
10670298
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 雅秀 東京大学, 医科学研究所, 講師 (50251450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 カツ子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50126091)
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Keywords | IL-1 / ノックアウトマウス / 抗体産生 / 細菌誘導性肝炎 / ストレス応答 / ディファレンシャル・ディスプレイ |
Research Abstract |
抗体産生においてIL-1が調節因子として機能していることを見い出したので、本年度はそのメカニズムを解析した。IL-1 KOマウスのT細胞やB細胞の基本的な増殖応答並びに抗原提示細胞であるマクロファージの貪食能や抗原分子のプロセッシングは正常であったが、IL-1 KOマウスのT細胞は抗原特異的な増殖応答が抑制されていた。したがって、IL-1はT細胞と抗原提示細胞との相互作用に重要な役割を果たしていることが明かとなった。 細菌誘導性肝炎のモデルであるP.acnesで感作して低力価のLPSで劇症肝炎を引き起こす系では、IL-1 KO及びIL-1raKOマウス共に野生型マウスより高い致死率を示すことを見い出したが、両KOマウスともP.acnesの投与による肉芽腫形成の亢進が高い致死率の原因であることが示唆され、特にIL-1 KOマウスではTNF-αの産生が亢進していたことが高い致死率の原因と考えられた。 一方、テレピン油を投与した時の発熱にIL-1が必須であることを明らかにしたが、発熱中枢の存在する間脳においてIL-1依存性に誘導される新規ストレス蛋白質を検索する目的で、IL-1 KOマウスと野生型マウスの間でディファレンシャル・ディスプレイを行った。テレピン油を投与した時にIL-1 KOマウスでは変化がないが、野生型マウスの間脳では誘導されてくるものとして、9本のバンドを同定した。それらの塩基配列を決定したところいくつかの既知遺伝子に加えて、脳特異的に発現している新規遺伝子の単離にも成功した。今後はこの遺伝子のストレス応答における脳内での機能を解析していく。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Horai,R.,et al.: "Development of chronic inflammatory arthropathy resembling rheumatoid arthritis in IL-1 receptor antagonist-deficient mice"J. Exp. Med.. 191. 313-320 (2000)
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[Publications] Kido,M.,et al.: "Normal levels of serum glyoproteins maintained in β-1,4-galactosyltransferase I -knockout mice"FEBS Letters. 464. 75-79 (1999)
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[Publications] Asano,M.,et al.: "Roles of IL-1 and TNF-α in varioius inflammations"J. Interferon Cytokine Res.. 19. S60 (1999)
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[Publications] Kotani,N.,et al.: "Impaired galactosylation of core 2 O-glycans in erythrocytes of β1,4-galactosyltransferase"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 260. 94-98 (1999)
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[Publications] Habu,K.,et al.: "The HTLV-I-tax gene is responsible for the development of both inflammatory arthropathy resembling rheumatoid arthritis and non-inflammatory ankylotic arthropathy in transgenic mice"J. Immunol.. 162. 2956-2963 (1999)