1999 Fiscal Year Annual Research Report
複数の金属元素で構成される化合物半導体の生体影響評価
Project/Area Number |
10670317
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 昭代 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10136484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 美由紀 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30156674)
槇田 裕之 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30209407)
井上 尚英 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00131904)
大村 実 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50243936)
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Keywords | 化合物半導体 / アルミニウムガリウムヒ素 / ガリウムヒ素 / ハムスター / 気管支内投与 / 肺毒性 / 慢性影響 |
Research Abstract |
【目的】複数の金属元素から構成される化合物半導体、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、ガリウムヒ素(GaAs)の慢性影響についてハムスターを用いて評価を行った。 【方法】雄性シリアンゴールデンハムスター(SPF、72匹)を用い、8週齢にて実験に供した。各被験物質の1回投与量はAlGaAs4.7mg/kg(GaAs換算4.0mg/kg)、GaAs4.0mg/kgであり、ハムスターに週2回、8週間にわたって気管内に反復投与を行った。最終投与日の翌日(0週)、16週、42週目に経時的に安楽死させ、肺の病理学的変化、各臓器中金属濃度、雄性生殖器障害について検索した。 【結果】投与期間中の体重変化に関して、AlGaAs群およびGaAs群で対照群に比べて有意に低下し、その後の観察期間中においても体重変化の推移は対照群に比べて有意に低下していた。各群の相対臓器重量は各評価時点で肺の相対重量はAlGaAs群およびGaAs群が対照群に比べて有意に増加し、さらにGaAs群がAlGaAs群に比べて有意に増加していた。一方、肝臓の相対重量は42週の時点でAlGaAs群およびGaAs群が対照群に比べて有意に低下していた。さらに、精巣障害に関して、各時点の精子の運動能および精子の形態異常はAlGaAs群およびGaAs群では対照群と比べて有意な差は観察されなかった。 【まとめ】これらの結果より、AlGaAsやGaAsをハムスターの気管内に投与することにより、体重増加の抑制や肺の相対重量の増加、肝臓の相対重量の低下が観察され、AlGaAsやGaAsの全身性や肺および肝臓に障害を及ぼすことが示唆された。現在、各臓器の病理学的検察や臓器中金属濃度の測定を行っており、今後、AlGaAsやGaAsの慢性影響について総合的に評価する予定である。
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Research Products
(1 results)