1998 Fiscal Year Annual Research Report
ピコ秒時間分解光計測による骨質の無侵襲的評価法の基礎検討
Project/Area Number |
10670322
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
荒木 隆一郎 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00168006)
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Keywords | 骨密度 / 骨粗鬆症 / 無侵襲計測 / ピコ秒時間分解計測 / レーザ計測 / 近赤外光 / 光散乱 / 光学診断 |
Research Abstract |
今年度の研究計画は、実験動物より採取した新鮮骨サンプルおよび各種ヒト荷重骨サンプルのピコ秒時間分解光計測波形から等価散乱係数・吸光係数を精密に決定するための手法確立に的を絞った。光源にはSpectra Physics社のTi-Sapphireレーザを、また検出器には浜松ホトニクス社のストリークカメラを使用し、生体試料に適した検出系とするため各種電子回路を付加した。この結果光学定数の決定に必要な時間分解能を上回る2ピコ秒の時間分解能が得られた。 測定波長は、Ti-Sapphireレーザの出力範囲である700-900nmを用い、骨サンプルは得られたサイズに応じてlcm角の立方体・5-10mm厚の平板とし、パルス光を照射して対面から射出される光を光ファイバを用いてストリークカメラへ導き、時間分解能2psecで時間分解波形を得た。等価散乱係数・吸光係数の推定には、我々の開発したMC-LUT法、すなわちモンテカルロ法による光伝播シミュレーションに基づく推定法を用いた。 ピコ秒時間分解計測と併せ、ゴニオメータ法・積分球法による光学定数の決定を行ない、時間分解計測により得られた値と比較した。その結果、推定誤差は5%以内であり、実用上十分な光学定数の推定が可能であることを確認した。また、光計測と併せて、骨のハイドロキシアパタイト含量を測定し、等価散乱係数との相関を検討した。等価散乱係数はハイドロキシアパタイト含量とよく比例し、等価散乱係数の計測値から骨密度の推定が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)