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1999 Fiscal Year Annual Research Report

アルコール代謝ならびに葉酸代謝酵素の遺伝的多型と大腸がんに関する疫学的研究

Research Project

Project/Area Number 10670333
Research InstitutionChiba Cancer Center Research Institute

Principal Investigator

村田 紀  千葉県がんセンター, 研究局・疫学研究部, 部長 (90260257)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田川 雅敏  千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 部長 (20171572)
Keywords大腸がん / 飲酒 / 葉酸代謝酵素(MTHFR)
Research Abstract

われわれは、飲酒と大腸がんの関連を知るために、結腸がん265例および直腸がん164例と対照群(良性疾患患者)794例を用いて症例対照研究を行い、多量飲酒者ほど相対リスクが高く、また中等度のアルコール非耐性であるアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)のヘテロ個体ではリスクがより高くなる事をすでに報告した。
飲酒と大腸がんの関連は葉酸欠乏を介していると考えられる。それに関連して米国から、葉酸代謝酵素Methylenetetrahydrofolate reductase(MTHFR)の遺伝子型の違いによって大腸がんのリスクが異なるという仮説および疫学的結果が出された。この遺伝子の第677塩基にAla(A)とVal(V)の遺伝的多型があって、前者が酵素活性正常、後者が機能低下型であり、V/Vホモ個体は葉酸欠乏になり難いため、大腸がん低危険群であるという。これを確かめるために症例対照研究を行った。症例群は結腸がん179例と直腸がん113例、対照群は呼吸器科外来良性疾患患者161例で、遺伝子型と飲酒歴その他の生活歴を調べた。遺伝子型検査は末梢血DNAを用いたPCR法、生活歴調査は問診票によった。
症例対照群全体としてV/V個体の頻度は、男性において40歳代の19%から70歳代の10%へと高年齢ほど低く、V/V個体が高ホモシステイン血症を通じて心臓血管系疾患の高危険群であるため死亡率が高いのであろう。常用飲酒者における頻度(17%)は非飲酒者(9%)に比べて有意に高値で、これは飲酒が心臓病死亡に対する防御因子となるためであろう。喫煙者と非喫煙者の間には差はなかった。また女性ではきれいな年齢依存性は認められなかった。性と年齢で層化して症例対照群間の比較を行ったが、遺伝子型分布に全く差が認められなかった。さらに肉類や野菜等の食品摂取頻度あるいは飲酒歴で層化しても、症例対照間でV/V個体頻度は違わなかった。以上の結果はこの酵素遺伝子が大腸がんの罹病には関係していないことを示しており、上記の米国の研究報告は再吟味すべきであると考えられる。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Motoi Murata,Masatoshi Tagawa et al.: "Genotype difference of aldehyde dehydrogenase 2 gene in alcohol drinkers influences the incidence of Japanese colorectal cancer patients"Jpn.J.Cancer Res.. 90. 711-719 (1999)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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