2000 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・サポート授受の介入研究(世代間交流が高齢者と高校生に与える影響)
Project/Area Number |
10670338
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤林 朗 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70221710)
久田 満 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (50211503)
小林 廉毅 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178341)
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Keywords | ソーシャル・サポート / サポート交換 / 介入研究 / 世代間交流 / 高齢者 / 看護学生 / 主観的幸福感 / 老人観 |
Research Abstract |
ソーシャル・サポート(以下、サポートと省略)が高齢者の心身の健康にとって重要な意味を持つことはすでに内外の多くの研究によって明らかにされている。しかし、従来のサポート研究では、高齢者はもっぱらサポートを受ける側としてとらえられており、高齢者が回りの他人、特に若い世代に対してサポートを提供するという側面の重要性が検討されてこなかった。研究代表者らはすでにわが国と韓国の農村在宅高齢者を対象にして、高齢者のサポート授受(提供と受領)の両者を調査し、高齢者の主観的幸福感の一指標である士気(モラール)を従属変数としたとき、(1)高齢者からのサポート提供が、高齢者のサポート受領と同程度ないしはそれ以上に、モラールを高める要因であること、(2)サポート授受のバランス、すなわち、サポートを他人へ提供し同時に他人からもらうことがモラールの維持に重要であること、を断面調査によって確認した。本研究ではこの知見をさらに実証するために、サポート授受の介入をおこなうことによって、高齢者の主観的幸福感が良好に保たれることを実証することを目的とする。 今年度は最終年度であったが、進行の遅れから実査は本年5〜8月に延期することにし、介入研究のために、(1)調査対象地域の選定(東京都新宿区)、(2)介入内容および評価尺度についての文献的考察、(3)調査項目の決定と調査用紙のpretest、(4)介入者(看護学生・医学生)のtraining、をおこなった。実査では、調査対象地域在住の高齢者に対する訪問をおこない、この介入が高齢者の主観的幸福感、学生の老人観などの評価指標にどのような影響を与えるかを検討する。また、今後に実施を予定している地域在住の高齢者と高校生の交流プログラムの内容についての提言もおこないたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ishizaki,T. et al.: "Functional transition in instrumental activities of daily living among older Japanese."J.Epidemiol.. 10(4). 249-254 (2000)
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[Publications] 石崎達郎 他: "在宅療養患者における急性期治療を目的とした入院の危険要因"日老医誌. 37(6). 472-478 (2000)
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[Publications] 金恵京 他: "在宅高齢者におけるソーシャルサポート授受と主観的幸福感"老年社会科学. 22(3). 395-403 (2000)
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[Publications] Kim,H. et al.: "Social support exchange and quality of life among the Korea elderly"J.Cross-Cultural Gerontology. 15(4). 331-347 (2000)