1998 Fiscal Year Annual Research Report
血清コホートにおけるネスティッド・ケース・コントロール研究
Project/Area Number |
10670352
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
早川 武彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40022834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠置 文善 財)放射線影響研究所, 統計部, 研究員 (60150223)
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Keywords | 保存凍血血清 / ネステッド・ケース・コントロール研究 / がんマーカー / 肺がん / 大腸がん / 胃がん |
Research Abstract |
1988年より生活習慣を主体とした問診票による健康調査を行い同時に血清を収集したコホート集団に対して、広島県内の死亡者(総務庁より目的外使用許可を得ている死亡小票を利用)及び広島県腫瘍登録委員会組織登録資料、広島市癌登録資料(1995年まで)とのレコード・リンケージを行い、がん死亡者335人、がん発生者1,188人を同定した。これらのうちコホート設定後3年以内の発症及び死亡者はコホート設定時に既にがんを発症していた可能性があるので除いた。また、コホート設定時の調査及び中間時点(1994年)での同様な調査が出来ている者のみを対象にしたため、今年度の対象症例は胃癌発症者15例(男6.女9例、平均年齢69.7歳)、大腸癌発症者19例(男5.女14例、平均年齢68.9歳)、肺癌発症者6例(男3.女3例、平均年齢75.7歳)総計40例であった。対照群を性、年齢でマッチングし、1対2の対照例を設定した。確定した症例と対照(計120例)の凍結保存血清を用いて、血清によるがんマーカー(CEA.SCC.CA19-9.CYFRA.Helicobactor Pyroli抗体.Pepsinogen)を測定した。まだ単純集計による解析だけであるが、胃癌、大腸癌ではこれらのマーカーでは対照群と差は見られなかった。肺癌では、CEA.SCCの2つのマーカーにおいて差が認められた。がんの家族歴、喫煙習慣、飲酒習慣、コーヒーなどの生活習慣でもあまり差が認められなかった。次年度は、組織登録、癌登録資料を1997年まで利用できる予定であり、さらに症例を増やし各種の解析をおこなう。
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