1998 Fiscal Year Annual Research Report
産業化学物質による神経障害の発症機序-特に細胞骨格蛋白質への影響
Project/Area Number |
10670356
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永野 恵 熊本大学, 医学部, 助手 (10136723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
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Keywords | 2.5-ヘキサンジオン / アクリルアミド / 塩化アリル / ニューロフィラメント / 燐酸化 |
Research Abstract |
2,5-へキサンジオン、アクリルアミドおよび塩化アリルによるneurofilamentous axonopathyの発症機序を明らかにする目的で、上記中毒ラットの脊髄のニューロフィラメント(NF)蛋白質の燐酸化について検討した。NFSを含む細胞骨格成分をSDS-PAGEにて分離後、抗NF抗体あるいは抗燐酸化NFと^<125>I-プロテインAを用いたイムノブロット法により、NF200kd(NF-H)NF160kd(NF-M)および架橋形成NF(CNF)とそれぞれの燐酸化NFを定量した。 その結果、 1) 先の実験では、SDS-PAGE後の蛋白染色により、2,5-HD群でNF-HおよびNF-Mの著名な減少が観察されたが、今回の、二種類の抗体と^<125>I-プロテインAを用いた定量的なイムノブロット法では、NFの減少は観察されなかった。この理由は現在のところ不明である。 2) 今回の定量的なイムノブロット法でもNFの架橋形成は、2,5-HD群でのみ有意に増加し、アクリルアミド群および塩化アリル群では増加しなかった。 3) NF-H、NF-Mおよび架橋形成したNF(CNF)のそれぞれの燐酸化の程度は、対照群と処置群とで変化がみられず、今回の実験結果からは、架橋形成にNFの燐酸化の有無は関与していないと考えられた。
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