1999 Fiscal Year Annual Research Report
MRI装置を用いた肩凝りの客観化と鍼刺激効果の研究
Project/Area Number |
10670370
|
Research Institution | Meiji university of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 和郎 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (20170665)
|
Keywords | 肩こり / 筋硬結 / MRI / Magnetization Transfer |
Research Abstract |
肩凝り局所の筋は一般に触診すると一部が硬くなっていることが多い(以下、筋硬結という)。この筋硬結がどのような状態にあるかは計測方法の難しさもあり、これまで詳細な研究がほとんど行なわれていなかった。そこで筆者は筋硬結の硬さに対して鍼刺激によりどのように硬さが変化するか測定を行ない報告してきた。この研究結果を踏まえ、MRIを使用し組織の状態を画像化できる新しい撮影方法の一つであるMT効果を画像化し、MT比(ratio)を求める新しい方法を試みた。MTとはMagnetization Transferの略で高分子と水の相互作用を利用した新しいMR撮像法である。生体内のプロトンは自由水として自由に動けるプロトン(Hf)、結合水と呼ばれる高分子(タンパク等)に結合し運動の制限されたプロトン(Hr)などが存在するとされている。このうちHrはT2緩和時間が非常に短く通常のMRIで撮像出来ないがMTではこれを間接的に観察することが可能である。筋硬結部の撮影にはT1強調画像、MTを組み合わせ撮影を行った。 この結果、筋硬結部は非硬結部に比べて有意水準5%でMTRの値が小さく、自由水ニ高分子の結合水の交換が少ない、つまり結合水が少ないことが示唆された。 以上よりMT撮影法を用いることにより客観的に肩こりを観察できることが示唆された。
|