1998 Fiscal Year Annual Research Report
培養きのこによるきのこ毒産生機序の解明と毒性への生育環境の影響について
Project/Area Number |
10670380
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
権守 邦夫 秋田大学, 医学部, 助手 (10006744)
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Keywords | 毒きのこ / 培養 / 毒成分 / 分析 |
Research Abstract |
平成10年度の研究計画では1,各種きのこの採取、2,寒天培地の選択、3,培養条件の選択、4,きのこ毒成分の分析法の確定が主な研究目標である。 1, 研究材料としてのきのこの確保は代表的毒きのこのうち、ドクツルタケ、ツキヨタケについて採取をおこなった。また、幻覚作用を有する毒きのこの一種であるヒカゲシビレタケの胞子を滋賀大学の協力によって入手することができた。なお、ツキヨタケと並んで最も中毒の発生件数が多いクサウラベニタケについては天候不順によると思われるが研究材料として適当なきのこが採取できず平成11年度に採取する予定である。 2, 培地には多くの組み合わせがあるが、エビオス寒天培地を選択した。 3, 培養手技の練習を重ね、植物インキュベータで温度と照明を調整しながら培養をおこなっている。毒きのことしてはヒカゲシビレタケ、ニガクリタケ、食用きのことしてはコガネタケについておこなっている。培養温度のプログラムは23℃10時間、18℃6時間。照明のプログラムについては、温度に平行して「明」を10時間、「暗」を6時間とした。これらのきのこの培養は現在のところ順調に行われている。今後、さらに各種のきのこについて各種温度、照明の組み合わせで培養をおこなう予定である。 4, 現在、ヒカゲシビレタケの幻覚成分であるシロシビンについて高速液体クロマトグラフィでの分析法を確立するために準備中である。分析法が確定後、各種きのこについてその有毒成分が生育条件により変化するかについて検討する。
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