2000 Fiscal Year Annual Research Report
培養きのこによるきのこ毒産生機序の解明と毒性への生育環境の影響について
Project/Area Number |
10670380
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
権守 邦夫 秋田大学, 医学部, 助手 (10006744)
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Keywords | きのこ中毒 / 培養 / マジックマッシュルーム / 生育条件 / 分析 / 高速液体クロマトグラフィ |
Research Abstract |
平成10・11年度に引き続き、各種きのこの採取、培養条件の選択、きのこ毒成分の分析法の確定をおこなうとともに、偶然発生した実例への応用をおこなった。 1,研究材料として、ドクツルタケ、ツキヨタケ、ドクササコ、オオワライタケの採取を行ない、菌糸の増殖を試みた。しかし、雑菌の影響か、あるいはきのこ自体の性質かよい培養成績は得られなかった。ツキヨタケと並んで最も中毒の発生件数が多いクサウラベニタケについては本年度も研究材料として十分な量の確保ができず、本研究期間中での実施は困難であった。 2,平成10年度に幻覚作用を有する毒きのこの一種であるシロシベクベンシスの胞子を入手することができ、エビオス寒天培地、鳩の餌を使用した培地と引き継ぎ増殖を行い、シロシベクベンシスの子実体を継続的に採取可能となった。しかし平成12年度になりクロレラなどの添加物が入らないものを入手することが不可能となったため、トウモロコシと豆類を混合したものを使用することとした。シロシベクベンシスについては継続的に栽培しており事故・事件への対応が可能になった。 3,そんな中、インターネットで入手したマジックマッシュルームを自分で栽培し、摂取して幻覚をおこし側溝内で死亡した事故が発生した。本研究で得られた成果に基づき鑑定を行うと、この事故の現場に残された培地からきのこを培養することに成功し、きのこからマジックマッシュルームの一種であることが確認できた。また、血液、尿を用いた分析を高速液体クロマトグラフィによりおこない、幻覚成分を同定することができた。今後、このような中毒事件・事故はますます増加するものと考えられ、本研究で得られた成果が大いに貢献できるものと考える。
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Research Products
(1 results)