1998 Fiscal Year Annual Research Report
乳児人形モデルによる再呼吸シュミレートからみた寝具の危険性の検討
Project/Area Number |
10670396
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
舟山 眞人 東北大学, 医学部, 教授 (40190128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 登 東北大学, 医学部, 助手 (60282125)
美作 宗太郎 東北大学, 医学部, 助手 (50284998)
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Keywords | 乳幼児突然死症候群 / うつ伏せ寝 / 再呼吸 / 寝具 / 睡眠体位 |
Research Abstract |
1. 寝具における二酸化炭素拡散性の程度、即ちうつ伏せ寝乳児における特定寝具使用時の再呼吸の危険性について、救急蘇生用乳児人形、二酸化炭素アナライザー、100mlシリンジという簡単な機器の組み合わせで十分な評価が可能であった。 2. 各寝具の評価は、5%二酸化炭素を満たしたシリンジを一定間隔で前後運動を繰り返し、この模擬呼吸中に生じるシステム内の二酸化炭素の減少曲線から数値データとして算出した。算出にはコンピュータを用い、計算中に入力ミスのチェック可能なプログラムを作成した。 3. 二酸化炭素拡散性は寝具の柔らかさにある程度影響されるものの、柔らかさたけで決定されるわけでもなかった。また基本となる布団の性状だけではなく、その上に敷くシーツやタオルが拡散性に大きく影響することがあった。このことは硬い寝具でもタオル1枚の使用により、再呼吸の問題が生じる可能性を示唆している。 4. 仰向け状態に比べると、顔が真下のうつ伏せではどのような寝具でも二酸化炭素の拡散性は延長し、即ち再呼吸の影響を受けることが判った。当然のことながら、再呼吸の影響を防ぐ一番の睡眠体位は仰向け寝である。 5. 実際の死亡事例の寝具の解析は現在数例にとどまっているが、これらを調べた限りでは、二酸化炭素拡散性の延長は仰向け状態のせいぜい2倍程度であった。現在の結果からでは、これら死亡例については、その乳児の死に再呼吸現象だけが関与しているとは考えにくいと思われる。
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Research Products
(1 results)