2000 Fiscal Year Annual Research Report
法医学的微量試料のDNA多型分析とDNA保存に関する研究
Project/Area Number |
10670401
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
伊藤 幸夫 順天堂大学, 医学部, 講師 (70053345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 了 東京医科大学, 医学部, 講師 (40146775)
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Keywords | 全ゲノム増幅法 / DNA多型 / PCR産物 / 血液型遺伝子型 / 性別判定 / 保存 / 塩基配列 |
Research Abstract |
法医学的微量試料からのDNA多型分析とDNA保存の法医学的意義を検証し,PEP法により増幅したDNA試料の取扱いについて考察した。 1)保存したPEP処理DNA試料を用いても,未処理DNA試料を用いても得られたDNA型(MCT118型判定,TH01型判定,HLA-DQα型判定,LDLR型判定,GYPA型判定,HBGG型判定,D7S8型判定,GC型判定,性別判定,ABO式血液型の遺伝子型判定,及び,Lewis式血液型の遺伝子型判定)及び塩基配列は同一であったことを検証した.従って,PEP処理DNA試料を保存することにより繰り返し検査が可能になり,未処理DNA試料を用いた検査成績の再現性,信頼性,客観性は向上すると思われる.原則的には法医学的試料からのDNA型判定は未処理DNA試料でおこない,PEP処理DNA試料では未処理DNA試料を用いた場合と同一のDNA型であったに留めるべきである。未処理DNAで検査出来ない微量DNA試料への応用は控えるべきである。 2)未処理DNAのDNA型の検出限界量はローカス毎に異なるが,PEP処理DNA試料のDNA型判定に関しては一定の未処理DNA量を定めることを提案している.この未処理DNA量は私たちの決定した検出限界量以上であり,PEP処理DNA試料を用いることにより未処理DNAで検査できなかった他のローカスのDNA型の判定もできるようになると思われる.しかし,法医学的応用に関しては多数の研究者の追試,研究等が望まれる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Itoh,Y.,Kobayashi,R.: "Evaluation of ABO and Lewis genotypes using primer extension preamplification"Forens Sci Int. 13. 139-141 (2000)
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[Publications] Itoh,Y.,Iizuka,N.,Tsushima,H.,Kobayashi,R.: "Discrepant results of ABO blood grouping from highly putrefied semen obtained by serologic and PCR techniques"Progress in Forensic Genetics. 8. 548-551 (2000)
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[Publications] Nagao,K.,Itoh,Y.Fujime,S.: "Influence of Lewis blood group genotypes for CA19-9 leveles in urine and serum from urologic disease"Progress in Forensic Genetics. 8. 574-577 (2000)
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[Publications] 伊藤幸夫,小林了: "細菌に汚染された精液からのDNA分析と解離試験による血液型判定"DNA多型. 8. 292-294 (2000)
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[Publications] 伊藤幸夫,小林了,対馬秀子,飯塚直人: "血液と尿沈査から抽出したDNAを用DNA多型の不一致について"日法医誌. 54/1. 86 (2000)