1998 Fiscal Year Annual Research Report
STR多型マーカーに見られたde novo変異の塩基配列解析
Project/Area Number |
10670404
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田村 明敬 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50207239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 元 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90253260)
宮崎 時子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60084919)
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Keywords | STR / DNA / 多型 / vWF / 変異 / de novo |
Research Abstract |
Short tandem repeat(STR)多型のなかのvWF locusにおいて親に変異が生じ、その変異は父親由来であることを明らかにしたが、父親の2本のアレルの内のいずれのアレルが子に遺伝したかについては判定出来なかった。そこで、同じイントロン内に存在する別の2種のSTRを含む約800bPの領域を父、子、母の3人についてPCR増幅し、その産物をクローニングした後に塩基配列を調べた。その結果、父親の2本のアレルのうち、塩基数の多いアレルの反復数が1回増加して子のde noνoのアレルを生じたことが判明した。変異を起こした父親のアレルの遺伝子頻度について、日本人278人をタイピングし算出したところ、0.0917であった。このアレルの頻度はvWFで観察された8アレルのなかで5番目の値を示し、3番目に多い塩基数を持つアレルであることが明らかになった。このアレルはシークエンスの結果から5'フランキング領域TCTA(TCTG)_4(TCTA)_<14>TCCATCTAT3'プライマー領域から構成されてた。vWFで観察された8アレルの塩基配列を調べたところ、塩基数の1番少ないアレルで5'ランキング領域TCTATCTGTCTA(TCTG)_4(TCTA)_3TCCA(TCTA)_3TCCATCCAT3'プライマー領域の塩基配列を示し、3'フランキング領域におけるTCTA→TCCAへのトランジションを新たに確認した。しかし、変異を起こした父親のアレルでは、この現象は見られなかった。また、親子鑑定肯定例95例についてvWFのタイピングを行ったが、親子で矛盾するアレルは観察されなかった。 今後の研究に関する計画としては、セルソーターを用いて成人男性の精子を1個に分離し、Primer Extension Preamplification(PEP)法を用いてPCR増幅してからSTR多型のタイピングを行い、変異率と変異の生じる機構について解析を行うとともに、アレルを構成している塩基配列についても検討する考えである。
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Research Products
(1 results)