1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ滑膜に浸潤したT細胞のサイトカイン発現異常の解明
Project/Area Number |
10670411
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山村 昌弘 岡山大学, 医学部, 助教授 (80252956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 誠之 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (70294452)
橋本 洋夫 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (80304343)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / Th・1細胞 / インターフェロン-γ / インターロイキン-18 / インターロイキン-15 / インターロイキン-12 / インターロイキン-7 / T細胞増殖因子 |
Research Abstract |
昨年度、細胞内サイトカイン染色法により、慢性関節リウマチ(RA)滑膜には機能的にIFN-γ産生能を有するTh1細胞及びTh0細胞が優位に浸潤していることが明らかになった。本年度、以下の実験結果が得られた。1)RA患者の血清及び関節液中にはIFN-γ誘導因子であるIL-18が増加しており、血清中IL-18は血清CRP値など炎症性指標と相関していた。また、RA関節液中にはIL-18の生物活性が検出された。2)RA滑膜にはIL-18mRNAが検出され、またRA滑膜細胞は無刺激でIL-18蛋白を分泌した。。3)免疫組織化学では、リンパ球浸潤部を除く滑膜組織に広範にIL-18分泌細胞を認めた。4)RA滑膜線維芽細胞はIL-18mRNAの発現を認めたが、IL-18蛋白の分泌は認めなかった。IL-18mRNAはRA滑膜より分離したマクロファージに強い発現を認めたが、T細胞には認めなかった。5)IL-18は、IL-12と比較するとRA滑膜T細胞のIFN-γ産生を増強する活性は弱かった。6)IL-18はIL-12によるRA滑膜T細胞のIFN-γ産生を増強し、一方で抗IL-18抗体は強く抑制した。7)RA滑膜にはT細胞増殖因子であるIL-2の発現は乏しいが、同様の活性を持つIL-15及びIL-7が発現されていた。8)RA滑膜では特にIL-15の発現が強く、主な産生細胞はマクロファージ及び滑膜線維芽細胞であった。9)IL-15はIL-2より強力にRA滑膜T細胞の増殖を増強した。10)細胞内サイトカイン染色法により、IL-12とIL-18は相乗的にRA滑膜T細胞のTh1型機能を増強するとの予備結果が得られた。以上より、RA滑膜ではマクロファージ及び滑膜線維芽細胞より産生されるIL-15がT細胞の増殖に関与し、マクロファージが分泌するIL-12とIL-18が相乗的にIFN-γ産生およびTh1細胞機能を増強することが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Harada S, Tamamura M, Okamoto H, et al.: "Production of interleukin-7 and interleukin-15 by fibroblast-like synoviocytes patients with rheumatoid arthritis"ARTHRITIS & RHEUMATISM. 42・7. 1508-1516 (1999)
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[Publications] 山村昌弘,河島昌典,槙野博史: "特集 滑膜細胞と関節破壊 滑膜細胞とIL-18"リウマチ科. 22・3. 255-260 (1999)
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[Publications] 山村 昌弘: "特集1 サイトカインと関連薬剤 各論5)慢性関節リウマチ(RA)"医薬ジャーナル. 36・2. 682-689 (2000)