1998 Fiscal Year Annual Research Report
テロメラーゼを標的にした慢性関節リウマチの遺伝子治療
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10670412
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前田 裕行 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80274075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜山 桂子 広島大学, 医学, 助手 (60253069)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / リンパ球 / テロメラーゼ / PNA / hTR / hTRT / アンチセンス / アデノウィルスベクター |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ罹患滑膜組織の細胞のうち20-50%がTリンパ球であること、滑膜の新生小血管周囲にもTリンパ球が集族していること等から慢性関節リウマチの関節破壊にはTリンパ球の関与が考えられている。我々は、慢性関節リウマチ滑膜組織リンパ球の活性化はテロメラーゼ活性のアップレギュレーションを伴っていること、またテロメラーゼ活性は慢性関節リウマチ関節破壊の重症度と関連することを明らかにした。 さらに我々は、Tリンパ球など滑膜組織のテロメラーゼ活性を阻害し滑膜病変を抑制する戦略の基礎的検討として、テロメラーゼRNA部分(hTR)に対する相補的配列をもつpeptidenucleic acids(PNA)を用いる方法と、テロメラーゼのcatalytic domain(hTRT)の塩基配列に対するアンチセンスRNA発現ベクターを用いる方法を試みた。 hTRに対する相補的配列をもつPNA(センス、アンチセンス)を作製し、EBウイルスで不死化したB-リンパ球(テロメラーゼ活性を持つ)の細胞膜処理後に培地に添加し、1〜7日間培養後テロメラーゼ活性を測定した。これまでにPNA添加によりテロメラーゼ活性に変化は認められなかった。PNAのBリンパ球への移行効率に問題があると考えられ、今後の検討課題である。 さらにhTRTのアンチセンスRNA発現アデノウイルスベクターを構築し、テロメラーゼ活性を持つ癌細胞株、HeLa,LoVo,A549,SW403,VMRC-LCDの各々に感染させ、1〜7日間培養した後、生細胞率、テロメラーゼ活性を測定した。LoVo,VMRC-LCDにおいては生細胞率の低下を認めたがこれまでにテロメラーゼ活性の有意な低下はみられず、組み換えアデノウイルスの構造上の問題によるものと考えられ、構造の改善が今後の課題である。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] Hiyama E.: "Rapid detection of MYCN gene amplification and telomerase expression in neuroblastoma" Clin.Cancer Res.(in press).
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[Publications] Oshima M.: "Expression of C-C Chemokines in Bronchoalveolar Lavage Cells from Patients with Granulomatous Lung Diseases" (in press).
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[Publications] Ishioka S.: "A case of Group II nonspecific interstitial pneumonia developed during corticosteroid therapy after acute respiratory distress syndrome." Respirology. (in press).
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[Publications] 檜山桂子: "テロメラーゼの測定" Lab.Clin.Pract. (in press).
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[Publications] Ishioka S: "A case of sarcoidosis with increased response of peripheral blood mononuclear cells to purified protein derivative antigen after depletion of CD8_+ T cells in vitro" Sarcoidosis Vasculitis and Diffuse Lung Diseases. 15・2. 194-195 (1998)
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[Publications] 檜山,英三: "悪性腫瘍における「テロメア長」規定因子とその診断的意義" 日本臨床. 56・5. 1139-1145 (1998)
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[Publications] 檜山桂子: "ヒトの悪性腫瘍におけるテロメラーゼ" 炎症と免疫. 6・6. 53-58 (1998)
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[Publications] 檜山英三: "膵癌におけるテロメラーゼ" G.I.Research. 6・2. 137-143 (1998)
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[Publications] 檜山桂子: "肺癌とテロメア・テロメラーゼ" 分子呼吸器病学. 2・3. 233-235 (1998)
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[Publications] 檜山英三: "テロメア長と癌診断" 消化器科. 27・3. 245-254 (1998)
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[Publications] 檜山桂子: "テロメラーゼ研究の現状" 癌と化学療法. 25・8. 1105-1110 (1998)
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[Publications] 檜山桂子: "肺癌の腫瘍マーカーとしてのテロメラーゼ活性測定の意義" 日本臨床. 56・5. 1253-1257 (1998)
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[Publications] 檜山桂子: "テロメラーゼを標的とした抗癌戦略" Molecular Medicine. 35・11. 1374-1382 (1998)
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[Publications] 檜山桂子: "テロメア・テロメラーゼ" 日本医学館(in press),