1998 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性炎症における好酸球組織浸潤の特異的免疫療法による調節機構の解析
Project/Area Number |
10670422
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
永田 真 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20211443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 裕一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00275893)
朱 宰弘 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50245198)
芝崎 正則 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60265395)
田部 一秋 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60211372)
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Keywords | 免疫療法 / 好酸球 / 接着分子 / 血管内皮細胞 / 単核球 / サイトカイン / ケモカイン / GM-CSF |
Research Abstract |
特異的免疫療法が好酸球組織浸潤を修飾する上で関与し得る諸ステップの中で、患者単核球培養上清中の好酸球接着誘導活性、ならびに血管内皮細胞の接着分子発現誘導活性について各々検討した。その結果、免疫療法未施行ダニ抗原過敏性気管支喘息患者のダニ抗原刺激単核球培養上清でみられる好酸球接着誘導活性、ならびに血管内皮細胞上の接着分子VCAM-1発現誘導活性が、免疫療法施行患者ではいずれも減弱することを見出した。一方、血管内皮細胞に発現する他の重要な接着分子であるICAM-1の発現誘導能については、免疫療法の効果は見られなかった。次に5名のダニ抗原過敏性成人気管支喘息患者に新たに急速免疫療法を導入し、その前・16週後におけるダニ抗原刺激単核球培養上清中の好酸球接着誘導活性の経時的変化を観察すると、全例で16週後の時点においてその活性が減弱していることが確認された。これらの成績は、免疫療法が、アレルギー性炎症局所における好酸球組織浸潤成立の初期ステップである、末梢循環中好酸球の血管内皮細胞への接着段階においてこの過程に抑制的に作用することを示唆する。次にこの好酸球接着誘導活性に寄与する分子を抗サイトカイン・ケモカイン中和抗体を用いて検索を試みると、その活性の少なくとも一部は抗GM-GSF抗体によりブロックされることが観察された。なおすでに報告した、免疫療法により産生が減弱する単核球由来の好酸球遊走活性についても同様の中和実験を行ったが、この活性に寄与する分子はGM-CSFおよびRANTESであることが示された。当初の予想に反してIL-5については上記のいずれの活性についてもその寄与は立証し得なかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Makoto Nagata,et al.: "Effect of immunotherapy on the production of eosinophil odhesion-indncing activity from mononuclear cells in house dust-mite-sensitive bronchial asthma" Int.Arch.Allergy Immunol.117.s1. 20-23 (1998)
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[Publications] 永田 真: "ダニ抗原感受性気管支喘息におけるクラスター減感作療法の臨床的検討" アレルギー. 47. 426-433 (1998)