2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗KS(アスパラギニルtRNA合成酵素)抗体産生機序に関する分子免疫学的研究
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10670426
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
平形 道人 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30199046)
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| Keywords | アミノアシルtRNA合成酵素 / 間質性肺炎 / 多発性筋炎 / 抗Jo-1抗体 |
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| Research Abstract |
過去2年間に,抗KS抗体がasparaginyl tRNA合成酵素(AsnRS)に対する新たなARSに対する自己抗体であることを明らかとし,さらに同抗体の分子免疫学的性状を追究してきた。本年度はかかる成績に基づき,1)抗KS抗体産生と関連するHLAクラスII遺伝子の検討,2)抗KS抗体のさらに詳細な臨床的特徴の検討,を行った。
【方法】1)慶大および共同研究施設の多発性筋炎・皮膚筋炎,SLE,強皮症などの膠原病および間質性肺炎患者約2500例を対象とした。2)自己抗体は免疫沈降法,アミノアシル化反応抑制試験で分析した。3)抗KS抗体陽性例および患者,健常人コントロール末梢血白血球より抽出したgenomic DNAをDRB1,DRB5,DQA1,DQB1,DPB1各々に特異的なプライマーを用いてPCR増幅する。次に,増幅DNAを種々の制限酵素で切断し,その産物の大きさを比較検討し,対立遺伝子型を決定し,同抗体産生と関連するHLAクラスII遺伝子を分析した。4)抗KS抗体陽性例の間質性肺炎の特徴を検討した。
【結語】1)皮膚筋炎2例,間質性肺炎6例血清が既知抗ARS(HisRS,ThrRS,AlaRS,GlyRS,IleRS)抗体とは異なるtRNA^<Asn>と65kDa蛋白を沈降し,AsnRS活性を特異的に抑制した。2)7例(88%)に間質性肺炎を認めた。血清KL-6値は,測定した5例中4例で上昇(平均920U/ml:基準値<500U/ml)した。病理組織像は3例がUIP,1例がNSIPであった。3)HLAを検索し得た日本人4例全例がDR2(DRB1^*1501/1502)を持っていた(健常人コントロール:33%)
【考案・結語】抗KS抗体は,血清KL-6高値の間質性肺炎と密接に関連することが明らかとなった。また,同抗体産生とHLA DR2との関連が抗AlaRS抗体と同様に示唆された この結果は,同抗体の関連病態に対するHLAクラスII遺伝子の関与を示しでいる。今後,同抗原のT細胞認識機構の解明が,同抗体産生機序の追究に必要と考えられる。
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[Publications] Hirakata,M., et al.: "Interstitial lung disease in polymyositis and dermatomyositis."Curr.Opin.Rheumatol.. 12(6). 501-508 (2000)
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[Publications] Hirakata,M.: "Humoral aspects of polymyositis/dermatomyositis."Modern Rheumatol.. 10(4). 199-206 (2000)
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[Publications] Kajihara,M., et al.: "Myositis and interstitial lung disease associated with autoantibody to a transfer RNA-related protein Wa."J.Rheumatol.. 27. 2707-2710 (2000)
