2000 Fiscal Year Annual Research Report
ランダムRNAライブラリー法を用いた膠原病患者自己抗体のRNAエピトープの解析
Project/Area Number |
10670427
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高崎 芳成 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80154772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 健 順天堂大学, 医学部, 講師 (20281355)
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Keywords | ランダムRNAライブラリー / 自己抗体 / エピトープ / RNA / 膠原病 |
Research Abstract |
昨度までの研究で、我々は、25塩基のランダムな配列のRNAライブラリーを用いたスクリーニング法により、膠原病患者血清と特異的に反応する新たなRNA抗原の塩基配列を決定し、このRNAと各種膠原病患者血清との反応性を検討した。その結果、シェーグレン症候群(SjS)患者血清より、これと結合するCGAAAGUCCGAUCGGCGUAAUGUCAの塩基配列を有す、TS1・RNAが決定された。さらに、TS1-RNAの25塩基のうち17番から25番目を変異させたRNA、8番から15番目を変異させたRNA、2番から7番目を変異させたRNA、TS1-RNAと全く異なった塩基配列のcontrol RNAを用意し、それぞれのRNAと患者血清、正常人血清との反応性を検索し、TS1-RNAの25塩基全体が患者血清との反応に関与していることを明らかにした。本年度はSiSにおける本抗体陽性例の臨床的特徴について検討したが、特に関連する病像を明らかにすることが出来なかった。そこで抗TS1・RNA抗体がSiSに次いで高率に検出された混合性結合組織病(MCTD)について検討した。その結果、抗TS1・RNA抗体陽性MCTD(30%)では抗ds DNA抗体、抗Sm抗体、抗U1 RNP抗体などの自己抗体、および血清低補体価等の検査所見、さらに腎症などの臨床所見が有意に高率に認められた。また、4例の症例において抗体価を経時的に測定し、一連の所見と比較検討したところ、全例で病態の活動性と相関して増減する事が示された。 以上の所見より抗TS1・RNA抗体が病態の形成および自己抗体の産生機構において何らかの形で関与している可能性が示唆された。
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[Publications] Amano H,Morimoto S,Kaneko H,Tokano Y,Takasaki Y,Hashimoto H: "Effect of intravenous cyclophosphamide in systemic lupus erythematosus : relation to lymphocyte subsets and activation markers"Lupus. 9. 26-32 (2000)
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[Publications] Takasaki Y,Kaneda K,Takeuchi K,Yano T,Hashimoto H: "Antibodies to PCNA and K1-A linked set of autoimmune response associated with celluar function of target antigens"AAA. 1. 88-109 (2000)
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[Publications] 高崎芳成,村上明弘,小島和夫,矢野哲朗,宮川薫,金田和彦,川口里江子,竹内健,橋本博史: "MESACUP-2 RNPによる抗U1 RNP抗体の測定-MESACUP RNP IIとの比較検討"医学と薬学. 44. 599-609
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[Publications] 高崎芳成,宮川薫,竹内健,金田和彦,池田圭吾,橋本博史: "MCTDおよび各種膠原病におけるエピトープの解析(厚生省特定疾患対策研究事業混合性結合組織病に関する研究班平成11年度研究報告書)"厚生省特定疾患対策研究事業混合性結合組織病に関する研究班. 53-55(74) (2000)