1999 Fiscal Year Annual Research Report
メラノーマ関連抗原の抗原提示におけるペプチドトランスポーター分子の解析
Project/Area Number |
10670429
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
桑田 昇治 帝京大学, 医学部, 助教授 (00241993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 秀巳 自治医科大学, 医学部, 教授 (20114580)
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Keywords | メラノーマ / 抗原提示 / ペプチド / トランスポーター / TAP / HLA / 遺伝子 / PCR |
Research Abstract |
本研究では、MAGEあるいはMART等のメラノーマ特異抗原が、HLA分子上に抗原提示される迄の、抗原輸送処理機構について解析を行なった。細胞障害性T細胞(CTL)によるメラノーマ特異抗原の抗原認識には、HLA拘束性があり、HLA-A2に拘束されている。HLAクラスI拘束性の抗原処理機構においては、抗原ペプチドの粗面小胞体(ER)内へのATP駆動型の能動的輸送が行なわれる。TAP(transporter associated with antigen processing)分子が能動的輸送の役割を果たしており、同分子はTAP1およびTAP2のヘテロダイマーから構成されている。20名のメラノーマ患者についてTAP1、TAP2各遺伝子多型について解析を行なった。しかしながら、対照群40名と比較して、TAP各対立胃遺伝子頻度は有意の差を認めなかった。HLA対立遺伝子、HLAハプロタイプ別のTAP遺伝子頻度は解析中である。Bare lymphocyte症候群の一部の患者でTAP遺伝子の変異によるTAP分子の欠損が報告されており、従来の遺伝子多型に加えてTAP分子の欠損の解析も必要である。また、ER輸送後の抗原処理機構に関わるTAPASIN遺伝子多型についても検討を行なったが、現在のところ対照群40名と比較して、対立胃遺伝子頻度に有意の差を認めていない。 ヒトTAP遺伝子多型と抗原ペプチドの輸送の選択性の関連、および選択されたペプチドのHLA分子との結合については、抗原提示細胞膜表面上での解析と、粗面小胞体内抽出HLA分子および結合ペプチドによる解析での統合が必要であり、抗原処理抗原掲示機構の解明に貢献すると想定される。
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[Publications] Kato T,Kuwata S,et al: "Novel polymorphism in the promoter region of the tumor necrosis factor alpha gene"Am J Med Genet. 88 4. 301-304 (1999)
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[Publications] Saeki H,Kuwata S,et al: "Polymorphisms of HLA-DM genes in japanese patients with psoriasis vulgaris"Br J Dermatol. 141 1. 113-115 (1999)
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[Publications] 桑田昇治: "HLA抗原血清学的検査法"日本臨床増刊号. 57. 686-692 (1999)
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[Publications] 桑田昇治: "リンパ球混合培養法(MLC)"日本臨床増刊号. 57. 693-697 (1999)
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[Publications] 桑田昇治: "HLA-DNAタイピング"日本臨床増刊号. 57. 698-704 (1999)
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[Publications] 桑田昇治: "HLAキメリズム解析"日本臨床増刊号. 57. 705-708 (1999)
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[Publications] 桑田昇治: "内科学"文光堂. 1879 (1999)
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[Publications] 桑田昇治: "炎症性腸疾患-潰瘍性大腸炎とCrohn病のすべて"医学書院. 784 (1999)