1998 Fiscal Year Annual Research Report
二種の新規ミクログリア分化増殖因子の遺伝子発現に関する研究
Project/Area Number |
10670440
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
菊池 愛子 国立精神・神経センター, 神経研究所微細構造研究部, 研究員 (70159010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加茂 功 , 室長 (70108489)
|
Keywords | ミクログリア / モノサイト / マクロファージ / 筋様細胞 / アストロサイト / 脳 / 胸腺 / サイトカイン |
Research Abstract |
重症筋無力症の病因解析を目的に筋様細胞を、ラット胸腺から細胞クローニングした処、IL-1、IL-6、IL-7等バラエティーに飛んだ各種サイトカインを産生していた、更に、それら既知因子とは別に、マクロファージ・モノサイト系細胞に刺激を与える因子を見出した。その活性は二つの因子に分離され、互いに異なる分子サイズを示し、各々特徴ある生物活性を有する。また、二因子はマクロファージ・モノサイト系細胞を刺激するが、既知のM-CSFやGM-CSF、IL-3とは、分子的にも、生物活性の点でも異なる因子だった、本年度、特筆すべきは、この二因子の上記生物活性に関連し、ヒト胸腺組織中にも、組織化学・生化学的な交差性があり、分子サイズからも同等の物質を認める事が出来た点である。更に、初期の目的である重傷筋無力症の病因に関して、病理学的に、胸腺腫を伴う胸腺と胸腺過形成を伴う例を、本二因子の抗体によって識別出来た。この事は、両者の成因に手掛かりを与えるものと考える。 さて、この因子の特徴の一つに、各種臓器に固有なモノサイト・マクロファージ系細胞によって、その刺激活性が異なる点である。このことから、脳内マクロファージ・モノサイト系細胞即ちミクログリアに対する刺激活性が存する事と、脳血管関門の存在への考慮から、脳内での産生物の同定及び産生部位の検索、産生細胞の特定について、検討を重ねた。 その結果、脳内に産生を、mRNA、タンパク、免疫性化学的に、検出出来た。初代脳細胞培養から、また、株化されたアストロサイトに、その産生を認めた。 同定された物質には、生物活性を認め、これも、二種互いに異なり、既存の因子とも異なっていた。ミクログリアについて、本因子と、脳内免疫機序に関して、Ia抗原の表現を刺激する作用があり最も興味があるが、現在能で、各発達ステージにおける、本物質の局在・発現を追っているところである。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kikuchi A.Tomoyasu.H.& Kamo I: "The brain produces two novel haemopoietic factors of microglial cell growth and differentitation" J.Neuroimmunology :5th International Society of Neuroimmmmunology Montrral.Augaust 23-27.Abstruct. 90. 49-49 (1988)
-
[Publications] Kamo.I.,Kikuchi A.& Takeuchi: "Generation of B(B1)cells and myoid cells from thymic stromal cells" J.Neuroimmunology :5th International Society of Neuroimmmmunology Montrral.Augaust 23-27.Abstruct. 90. 91-91 (1988)
-
[Publications] Tomoyasu.H,Kikuchi A.& Kamo.I: "Production of haemopoietic factors in the hypeplastic thymus associated with myasthenia gravis" J.Neuroimmunology :5th International Society of Neuroimmmmunology Montrral.Augaust 23-27.Abstruct. 90. 94-94 (1988)
-
[Publications] Kikuchi A.Fujimoto,J,Yamamoto.T.,& Kamo.I: "Proliferation of microglial cells by stimulation with teo novel haematopietic factors produced by brain cells" Gordon Research Conference on Moleculara and Cellulara Neurobiology,Beijing,Chaina,Sep.6-11. (1988)
-
[Publications] Kikuchi A.Tomoyasu.H.& Kamo I: "Identification of haemopoietic biglycan in hyperplastic thymus associated with myasthenia gravis" J.Neuroimmunology. 89. 59-63 (1988)