2000 Fiscal Year Annual Research Report
Tリンパ球誘発肝炎モデルを用いた自己免疫性肝炎の治療法の研究
Project/Area Number |
10670442
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
中村 公英 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20217839)
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Keywords | Concanavalin A / 肝障害モデル / サイトカイン / ケモカイン / Antithrombin III / ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
マウスにConcanavalin A(Con A)を単回静脈投与することにより、Tリンパ球活性化を介した肝炎モデルが作製される。今年度の研究により、本モデルでは早期に肝内にCD4^+Tリンパ球が浸潤し、その後肝小葉内の広範な肝細胞壊死が生じること、催炎性サイトカインであるTNF-α、IFN-γ、IL-1βが肝細胞障害に関わっていることから、自己免疫性肝炎のほかウイルス性肝炎、劇症肝炎など免疫学的肝細胞障害機序がその発症に関与する難治性肝疾患の有用なモデルとなることを明らかにした。また、TNF-αによってCXCケモカインの一つであるMacrophage inflammatory protein-2(MIP-2)が誘導され、多核白血球の肝局所への遊走活性化を行うなど、サイトカイン、ケモカインnetworkが肝障害発症に深く関わっていることを見いだした。さらに、抗凝固剤であるAntithrombin IIIが肝障害発症を阻止し、その作用機序としてTNF-αからのMIP-2産生を抑制すること、また、細胞外マトリックスである高分子ヒアルロン酸(HA)がTNF-α、IFN-γ、MIP-2産生を抑制し、肝障害発症を阻止することも見いだした。以上の研究からCon A肝炎モデルは免疫学的肝細胞障害の発症機序やその治療法の検討に有用なモデルであることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中村公英: "Effect of ursodeoxycholic acid on autoimmune-associated chronic hepatitis C."J Gastroenterol Hepatol. 14. 413-415 (1999)
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[Publications] 中村公英: "Conacnavalin A誘発マウス肝炎における性差発現機序の検討"薬理と臨床. 27. S1495-S1497 (1999)
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[Publications] 中村公英: "難治性肝疾患:診断と治療の近歩I,自己免疫性肝炎"日内会誌. 88. 591-596 (1999)
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[Publications] 中村公英: "自己免疫性肝炎に対するウルソデオキシコール酸(LIDCA)の長期投与効果と予後"肝臓. 41(7). 523-526 (2000)
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[Publications] 中村公英: "胆汁酸の腸肝循環"The Lipid. 11(3). 229-234 (2000)
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[Publications] 中村公英: "慢性肝疾患の最近の話題"Pharma Medica. 18(3). 115-128 (2000)