1998 Fiscal Year Annual Research Report
内因性抗菌ペプチドPR-39遺伝子を用いたシグナル伝達ブロックによる肝癌転移抑制
Project/Area Number |
10670444
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤本 佳範 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90292127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高後 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)
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Keywords | 内因性抗菌ペプチド / PR-39 / syndecan / actin / シグナル伝達 / 肝癌細胞 / 浸潤 |
Research Abstract |
1. 方法 1) Vectorの作成と遺伝子導入 ブタPR-39full length cDNAおよびマウスsyndecan-1 full length cDNAをpRc/CMV vectorに組み込み,lipofection法によりヒト肝癌細胞(HLF)に導入した。 2) In vitro invasion assay Boyden chamberにtype-1 collagenをコートして,filterを浸潤する細胞数を数えた。 3) Phagokinetic track motility assay 金コロイドをカバースリップにコートして細胞によりコロイドが貧食された面積を計った。 4) Actinの染色 rhodamine-conjugated phalloidinを用いて蛍光および共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。 2. 結果 1) PR-39遺伝子のヒト肝癌細胞株への導入 PR-39遺伝子をSyndecan-1の発現が低下していて高い浸潤能を特つHLF細胞に導入した。トランスフェクタントは高いSyndecan-1の発現誘導とともに,type-l collagenに対して著しい浸潤能の低下を示し,phagokinetic track法を用いた運動能の検索でも低下を示した。細胞形態は紡錘形からコンパクトな多角形へと変化し,Actin構築の変化も認めた。 2) Syndecan-1遺伝子のヒ卜肝癌細胞株への導入 マウスSyndecan-1遺伝子をHLE細胞に導入した。トランスフェクタントはtype-1 collagenに対して著しい浸潤能の低下を示したが,phagokinetic track法を用いた運動能の検索では変化は認められなかった。また,細胞形態またはActin構造にも変化は認めなかった。
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