1999 Fiscal Year Annual Research Report
prolineに富む内因性抗菌ペプチドPR-39遺伝子を用いたシグナル伝達ブロックによる肝癌転移の遺伝子治療
Project/Area Number |
10670444
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
藤本 佳範 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90292127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高後 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)
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Keywords | 内因性抗菌ペプチド / PR-39 / syndecan / actin / シグナル伝達 / 肝癌細胞 / MAPkinase |
Research Abstract |
PR-39はブタの小腸粘膜および白血球から精製されたprolineに富む内因性の抗菌ペプチドである。我々は、このPR-39がproteoglycan型接着分子であるsyndecanの発現を誘導するとともに、肝癌細胞の固有運動能を低下させ、細胞形態とactin構造に変化を起こすことを明らかにした。また、近年、PR-39が白血球のp47phoxのSH3 domainに結合しNADPHoxidaseの活性を抑えるという報告やPR-39がSH3 domainを有するシグナル伝達分子であるp130Casに結合するという報告が出された。そこで我々は、PR-39のシグナル伝達における機能を明らかとするために、最もよくシグナル伝達系が解明されているrasの系を用いてその増殖能に及ぼす影響と機能について検討した。ブタPR-39cDNAをhuman activated k-rasによりtransformしたNIH3T3細胞へ導入し、activated k-rasおよびPR-39蛋白をともに発現しているクローンを得た。このPR-39 transfectantについてactin構築、in vitroでの細胞増殖能、in vivoでの腫瘍形成能、Elk-1を基質としたMAPkinase活性;cyclinD1の発現およびPR-39の結合蛋白について検討した。PR-39 transfectantではコントロールのrastransformantに比べ、actin stress fiberが出現し、細胞増殖能および移植後2週での腫瘍形成能が低下していた。また、MAPkinase活性およびcyclinD1の発現が低下していた。Tagとして融合したhemagglutininに対する抗体を用いた共沈法により複数の蛋白がPR-39と結合していることが明らかとなった。PR-39の遺伝子導入はrasのシグナル伝達系に影響を及ぼし、その細胞増殖を抑制した。この機序としてPR-39のproline rich regionがシグナル伝達系のSH3 domainを有するある蛋白に結合し、シグナルをブロックすることが想定された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohtake T., Fujimoto Y., Ikuta K., Saito H., Ohhira M., Ono M., Kohgo Y.: "Proline-rich and imicrobial peptide, PR-39 gene transduction altered invasive activity and actin structure in human hepatocellular carcinoma cells"Brit J Cancer.. 81. 393-403 (1999)
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[Publications] 藤本佳範、大竹孝明、鈴木康秋、田中浩二、生田克哉、斉藤浩之、大平基之、小野稔、高後裕: "Prolineに富む内因性抗菌ペプチドPR-39遺伝子を用いたシグナル伝達ブロックによる肝癌転移の遺伝子治療。"日本癌病態治療研究会誌. 5. 176-177 (1999)
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[Publications] 高後裕、藤本佳範、浦等: "増殖因子受容体からのシグナル伝達経路の阻害によるがん治療法の開発。"がん治療のあゆみ. 18. 13-18 (1999)