1998 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌症における血管増殖抑制因子とその受容体の同定
Project/Area Number |
10670455
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 久登 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10301102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 洋一 自治医科大学, 四液研究部門止血血栓, 助教授
塚本 和久 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20251233)
荒井 洋 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30239280)
丸山 稔之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30219571)
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Keywords | アンギオスタチン / 肝細胞癌 / プラスミノーゲン |
Research Abstract |
1. 患者血漿中におけるプラスミノーゲン分解産物の同定 正常者、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌の患者血漿の抗プラスミノゲン(クリングル1-3)の抗体を用いたウエスタンブロットによりある程度進行している肝細胞癌患者血漿にプラスミノゲン分解産物が存在していることが示され、また、上記の抗体を用いていることより、抗血管増殖作用を有していることが推測された。肝細胞癌の治療において、その量的な減少が確認されている。 2. 肝癌細胞によるプラスミノーゲン分解酵素の産生 HepGII,HLF,Huh-7,Alexanderの4種類の培養肝癌細胞を用いて、プラスミノーゲン分解酵素の産生の有無を確認した。無血清培養液を用いて、各細胞より培養液中に放出されるタンパク質と標識されたプラスミノーゲン分子との反応を比較したところ、そのうちの1種類よりプラスミノーゲン分解酵素の産生があることが確認された。つまり、少なくとの1つの肝細胞癌由来の細胞が血液中においてアンギオスタチン産生作用を有することが推測されたのである。現在、上記において産生された分解プラスミノーゲン分子にアンギオスタチン作用があるかを検討中である。 3. アンギオスタチンの精製 人プラスミノーゲンとエラスターゼ(HNE)を用いて、プラスミノーゲン分解産物を得、分子量、抗プラスミノゲン(クリングル1-3)の抗体に対する反応より、アンギオスタチン分子と思われる分画を精製した。現在、精製された上記夕ンパクをもちいてアンギオスタチン様作用を確認した後、人毛細血管内皮細胞とのBinding Studyを計画している。 リコンビナントアンギオスタチンの作成、及びその変異蛋白の作成はBinding Studyにおいて有意なる結果が得られた際に予定されている。
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