1999 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス表面蛋白の抗原性の分析と特異的抗原を使った感染予防と治療への応用
Project/Area Number |
10670465
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 功 名古屋工業大学, 保健管理センター, 助教授 (30262942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 吉秀 名古屋大学, 医学部・第二内科, 講師 (40181284)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / DNAワクチン / 抗E2抗体 / 中和抗体 / 細胞性免疫 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)ワクチンの開発には、中和抗体の誘導が不可欠である。最近、コンフォメイショナルエピトープをもった抗E2抗体には、交叉反応性があり強いウイルス中和作用のある可能性が示唆され、ワクチンエピトープの候補として注目されている。前年度の検討により、HCVのシークエンスaa406-aa644が、強い抗体反応を維持する最小の領域であることが同定され、ゲノタイプ1aと1bに交叉反応性のある抗E2抗体のコンフォメイショナルエピトープの特徴が明らかになった。この結果を踏まえ、この領域を持ったHCV DNAワクチンをB型肝炎ウイルスにフィージョンさせた形で設計しマウスに投与した。この結果、(1)抗B型肝炎ウイルス抗体価は、市販の旧型ワクチンでは比較的早期に高値を示したが、その後すぐに低下した。一方、DNAワクチンでは抗体価が常に漸増し、高い持続性が期待された。(2)DNAワクチンは、ウイルス中和能のある抗HCV-E2抗体を持続的に誘導すると考えられた。また、誘導された抗体のサブクラスの検討からは、細胞性免疫も誘導することが示唆された。(3)このDNAワクチンは、B型、C型肝炎の両者のシークエンスを持ち、いずれの肝炎に対しても予防効果が期待できるため、臨床応用が期待される有効なワクチンであり、今後の実用化が強く期待される。
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