1998 Fiscal Year Annual Research Report
消化管間葉系腫瘍の発生、進展におけるc-kit遺伝子機能獲得性変異の意義
Project/Area Number |
10670471
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠村 恭久 大阪大学, 医学部, 助教授 (90162619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 秀作 大阪大学, 医学部, 医員
金山 周次 大阪大学, 医学部, 助手 (40185913)
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Keywords | 消化管間葉腫瘍 / c-kit / 平滑筋腫 / 突然変異 |
Research Abstract |
私共は、従来平滑筋腫あるいは平滑筋肉腫と呼ばれている消化管間葉腫瘍(GIST)のほとんどに幹細胞増殖因子(SCF)の受容体であるc-kitが発現していることを発見し、腫瘍細胞のc-kit遺伝子の全coding rcgionの解析を行った。その結果、消化管間葉腫瘍の多くにc-kit遺伝子の傍細胞膜領域に点突然変異または欠失がみられることが明らかになった。消化管間葉腫瘍にみられた変異を持つc-kit遺伝子をヒトの胎児腎細胞株である293T細胞へ導入したトランスフェクタントにおいて、リガンド非依存性にc-kitレセプタ-のチロシンリン酸化がみられ、イムノ複合体キナ-ゼアッセイにより恒常的なキナ-ゼの活性化がみられることが示された。さらに、変異c-kit遺伝子をIL-3依存性マウス前Bリンパ球細胞株であるBa/F3細胞へ導入したトランスフェクタントはIl-3非依存性の増殖能を持ち、トランスフェクタントをヌ-ドマウスに移植することにより腫瘍形成能を有することが示された。消化管間葉腫瘍におけるc-kit遺伝子の突然変異は傍細胞膜領域の11アミノ酸(Lys-550からVal-560)に集中してみられた。この傍細胞膜領域から離れた部位にも変異がみつかっており、その突然変異も機能獲得性変異であることが示された。消化管間葉腫瘍においてc-kit遺伝子の機能獲得性突然変異が高頻度にみられ、c-kit遺伝子の機能獲得性突然変異は腫瘍の発生に重要な役割を担っていると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Nakahara,et al.: "A novel gain-of-function mutation of c-kit gene in gastrointestinal atromal tumor." Gastroenterology. 115(5). 1090-1095 (1998)
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[Publications] S.Kondo,et al.: "Modulation of Apoptosis by Endogenous Bcl-xL Expression in MKN-45 Human Gastric Cells." Oncogene. 17(20). 2585-2591 (1998)
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[Publications] Y.Yamazaki,et al.: "Calphostin C induces expression of amphiregulin mRNA via reactive oxygen species in IEC-6 cells." Life Sci.63(25). PL361-365 (1998)
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[Publications] Y.Miyazaki,et al.: "Gastrin induces heparin-binding EGF-like growth factor in rat gastric epithelial cells transfected with gastrin receptor." Gastroenterology. 116(1). 78-89 (1999)
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[Publications] S.Kitamura,et al.: "PPARy induces growth arrest and differentiation markers of human colon cancer cells." Jpn.J.Cancer Res.90(1). 75-80 (1999)