1998 Fiscal Year Annual Research Report
胃のストレス応答を制御する新規ストレス関連遺伝子とその体内での発現調節機構
Project/Area Number |
10670479
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
六反 一仁 徳島大学, 医学部, 助教授 (10230898)
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Keywords | ストレス / ストレス反応 / ストレス性胃粘膜障害 / 熱ショック蛋白質 / 生体内シシグナル / ストレスホルモン |
Research Abstract |
本年度は、生体のストレス応答のシグナル伝達経路を修飾するため、研究計画に沿って、下垂体摘出、両側副腎摘出、あるいは横隔膜下での迷走神経切離術を施行したモデルラットを作成した。これらのラットに水浸拘束ストレスを負荷し、視床下部及び胃粘膜における熱ショックタンパク質70(HSP70)誘導とHSP70mRNAの発現を調べた。さらに、これらのラット胃粘膜での熱ショック転写因子1の発現量とその活性化についても検討した結果、急性ストレス時の胃粘膜におけるHSP70の発現誘導は、副腎由来の因子により生じることをつきとめた。これを証明するため、副腎摘出ラットに、エピネフリン、ノルエピネフリン、あるいはデキサメサゾンを投与すると、エピネフリンでのみHSP70mRNAと蛋白質か誘導させることを示した。さらに、エピネフリンによるHSP70の誘導をさらに詳細に確認するため、正常ラットに、α1、α_<1A>、α_<1B/1D>、α_2、βアドレナリン拮抗剤あるいはグルココルチコイド拮抗剤を投与し、水浸拘束ストレスによる胃粘膜のHSP70の誘導阻害を調べた結果、α_1とα_<1A> アドレナリン拮抗剤でその誘導が完全に阻害され、その他の拮抗剤では効果がないことを確認した。これらの結果から、急性ストレス時に胃粘膜にHSP70を誘導するメカニズムとして、交感神経・副腎髄質系の活性化により放出されるエピネフリンがα1Aレセプターを介して胃粘膜にHSP70を誘導し、ストレス潰瘍に対する抵抗力を誘導することを明らかに出来た。これらの結果は、論文にまとめ、Gasdtroenterologyに投稿した。このように、本年度の研究計画はほぼ完了する事が出来た。
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