1998 Fiscal Year Annual Research Report
新たな水・電解質代謝調節ホルモングアニリンファミリーの細胞生理・分子生物学的研究
Project/Area Number |
10670489
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
松倉 茂 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70030939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
中里 雅光 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (10180267)
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Keywords | uroguanylin / guanylin / cyclic GMP / guanylate cyclase / water-electrolyte |
Research Abstract |
guanylate cyclase(GC)結合C型受容体(GC-C)は胃、腸、肝臓、副腎、気道の上皮に存在し、その内在性リガンドは共通した2個のS-S結合を持つguanylin(15アミノ酸残基)とuroguanylin(16アミノ酸残基)である。天然型および化学合成したヒトuroguanylinには、cyclic GMP産生能を有する活性型と不活性型の2種類の異性体が存在する。両者の立体構造をNMRにより決定し、その構造的相違について解析した。uroguanylinは13位のアラニンのメチル基を中心とする疎水結合によりGC-Cと結合する。uroguanylinのフォールディングは、主鎖とS-S結合からなる3つのセグメントで構成されており、活性型と不活性型はセグメントの立体配置が異なったトポロジー異性体であることが判明した。トポロジー異性体により、ペプチドの生理活性の発現が異なることが証明されたのは初めてである。複数のS-S結合を有する生理活性ペプチドの基本的物性の解析に、今後重要な示唆を与える。ヒトのグアニリンとウログアニリン遺伝子の塩基配列を決定した。両遺伝子は第1染色体短腕上に隣接して位置し、約2.5キロ塩基対で3個のエキソンと2個のイントロンより構成される。両遺伝子は6.5キロ塩基対の間隔でタンデムに連結して存在し、遺伝子重複により形成されたと考えられた。5′上流の転写調節領域にはTATA boxやCAAT boxのプロモータ領域およびSp1、AP-1、AP-2などの転写調節タンパク結合部位が存在していた。
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[Publications] Nakazato M,Yamaguchi H,Matsukura S,et al: "Tissue distribution,cellular source and structural analysis of rat immunoreactive uroguanylin." Endocrinology. 139. 5247-5254 (1998)
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[Publications] Date Y,Nakazato M,Matsukura S,et al: "Enterochromaffin-like cell,a cellular source of uroguanylin in rat stomach." Endocrinology,in press.
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[Publications] Kinoshita H,Nakazato M,Matsukura S,et al: "Increased plasma guanylin levels in patients with impaired renal function." Clin Nephrol. 47. 28-32 (1997)
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[Publications] Miyazato M,Nakazato M,Matsukura S,et al: "Genomic structure and chromosomal localization of human uroguanylin gene." Genomics. 43. 359-365 (1997)
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[Publications] 中里雅光、松倉 茂: "水・NaCl代謝調節に作用する新しい消化管ペプチドグアニリンファミリー" 日本内科学会雑誌. 87. 741-746 (1998)