1998 Fiscal Year Annual Research Report
ELRモチーフを欠くCXCケモカインの肝疾患での発現とその意義
Project/Area Number |
10670494
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 義人 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70244613)
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Keywords | CXCケモカイン / ELRモチーフ / 肝疾患 |
Research Abstract |
[I] IP-10、MigのELISA systemの確立、肝炎患者血清中のCXCケモカイン濃度の測定 murine IP-10のELISA systemは、R\D system社の抗体を用いて作成し、ng/mL単位で良好な検量曲線が作成された。コントロールマウスでは測定感度以下であったが、マウスの実験肝障害では、血清中のIP-10の値は肝細胞の壊死に件い増加し、肝炎の極期が過ぎると測定感度以下に戻った。murineおよびhuman MigのELISA systemも作成したが、検出感度が不十分であった。肝炎患者における血清human IP-10の濃度は肝炎の病因に関わらず、炎症の強さを示す臨床的なパラメーターと相関して増減した。また、肝生検組織の活動性(activity)の程度とも良く相関していた。 [II] 肝炎患者の肝組織でのIP-10、Migの産生細胞の同定 ウイルス性および自己免疫性肝炎患者の肝組織でin situ hybridization法を用いてIP-10のmRNAの局在を検討したところ、IP-10は浸潤した炎症性細胞の近くに存在する肝細胞に発現することが確認された。Migの発現は今回の検討では確認できなかった。また、血清中のIP-10の値は、肝組織でのIP-10の発現に比例して高値を示していた。 [III] マウス実験肝障害におけるIP-10、Migのin vivoでの役割の検討 マウスの実験肝障害では、肝組織においてIP-10、Migともに肝細胞壊死に先立ちそのmRNAが増加することがNothern blot法で示された。さらに、肝組織でin situ hybridization法を用いてIP-10とMigのmRNAの局在を検討したところ、肝細胞と類洞壁細胞にシグナルが認められた。 [IV] in vitro flow systemを用いたIP-10、MigのT cell chemotaxisや内皮細胞の接着 分子の表出に与える影響の検討 現在、検討中である。
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