1998 Fiscal Year Annual Research Report
急性肝不全におけるアポトーシスとネクローシスの制御に関する臨床的・実験的研究
Project/Area Number |
10670497
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 一幸 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (00137499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 康裕 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50254751)
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Keywords | 急性肝不全 / Fasリガンド / TNF受容体 / アポトーシス |
Research Abstract |
臨床的検討 当科に入院し加療を受けた急性肝炎(AH)、急性肝炎重症型(AHS)および劇症肝炎(FH)例について血清可溶性Fas(sFAs)、Fasリガンド(sFasL)、TNFαおよびTNF受容体-1(TNFR1)を同時に測定し、その動態を検討した。その結果、血清sFasおよびsFasLはこれら急性肝障害で高値を示すが、臨床病型別には明らかな差異はなく、肝の重症度を表す指標(プロトロンビン時間など)とも相関を認めなかった。しかし、血清sFasLは肝炎の成因により差異が認められ、とくにA型肝炎ウイルスによる感染例では他の成因例に比し有意に高値を示した。一方、血清sFasと成因との関連は認めなかった(雑誌「Hepatology Research」投稿準備中)。血清sTNFαおよびsTNFR1はFHでAHに比し有意に高値を示し、とくに血清sTNFR1は肝の重症度を表す指標の一つとして有用との成績を得た。 実験的検討 D-ガラクトサミンとLPSを同時投与した急性肝不全ラットを作成し、副腎皮質ステロイド(メチルプレドニン)の大量投与(経門脈持続投与)によるアポトーシスならびに肝障害に及ぼす影響について検討した。その結果、肝障害の発現前および発現早期にステロイドの大量投与を行うと、アポトーシスの発生とそれに引き続く肝障害を軽減する成績が得られ、この作用はTNFの産生抑制によるものと考えられた(雑誌「肝臓」印刷中)。
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Research Products
(1 results)