2000 Fiscal Year Annual Research Report
消化管運動調節機構に与る非神経非筋細胞の細胞組織学的研究
Project/Area Number |
10670514
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小室 輝昌 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20037386)
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Keywords | 小腸 / ICC / 微細構造 / 組織化学 / NO / VIP / ラット |
Research Abstract |
カハールの介在細胞(ICC)に推定されている神経刺激伝達機能の形態学的根拠を得るため、消化管のNANC抑制性神経として重要な働きが知られているNOニューロンのICC支配について、組織化学的に検索した。また、VIP,Substance Pについても検討するため、免疫組織化学的観察を行った。材料にはラットを用い、NADPH-diaphorase組織化学により、小腸深部筋神経叢のICCに注目して検索した。電子顕微鏡的観察には、オスミウム酸と反応し電子線に不透過の沈澱物質を形成するBSPT chrolideを使用した。 その結果、*小腸輪走筋層の全載伸展標本では、深部筋神経叢に沿ってNADPH-d組織化学に陽性の強い反応が観察された。*同様に処理した標本を薄切した電子顕微鏡観察では、ICCに密接して、円形の無芯小胞と大形の有芯小胞を多数含む反応陽性の神経終末が観察された。これに対し扁平な無芯小胞を主に含むもの等では、一貫して反応陰性であったことから、反応の特異性は手法的に信頼できるものと推定した。*凍結切片によるVIP免疫染色では、深部筋神経叢に一致して強い陽性反応が規則的に観察される一方、Substance Pの染色では筋層間神経節の強い反応に対し、深部筋神経叢の部位には散在性の弱い反応が観察されるのみであった。 以上の観察から、ICCは確かにNOニューロンの運動支配を受け、筋とのgap junctionを介して刺激を伝達するものと推定した。また、VIPを含むシナップス小胞としては大形有芯小胞が報告されていることや、同一ニューロンにおけるNOとVIPの混在を示す報告もあることから、その可能性についても考察した。
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Research Products
(1 results)