1999 Fiscal Year Annual Research Report
難治性ウイルス性肝炎の病態に関わる免疫学的因子の解析と治療モデルの確立
Project/Area Number |
10670517
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Research Institution | AICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石川 哲也 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10288508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
各務 伸一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10115545)
杉山 弘高 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70242112)
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Keywords | 劇症肝炎 / CTL / エピトープ / アンタゴニスト / 慢性肝炎 / costimulatory molecule |
Research Abstract |
ウイルス性肝炎の劇症化、慢性化機構に関して、B型肝炎ウイルス・トランスジェニックマウス(HBV-TgM)を用いて解析した。HBV-TgMはlarge S抗原を肝細胞内に蓄積する107-5(H-2d)を用いた。これに同系のHBs抗原特異的細胞障害性Tリンパ球(HBs-CTL)を移入すると劇症肝炎を発症する。この肝炎モデルにおいて、CTLの作用を阻害するアンタゴニスト・ペプタイドの構築について検討した。H-2dのマウスにおけるHBs-CTLのエピトープはHBs抗原の28〜39番目のアミノ酸からなる部位(IPQSLDSWWTSL)であるが、このうち、実際に誘導した多くのクローンに共通なT細胞レセプター(TCR)認識部位は4番目のS、6番目のDであった。4番目をW、Lで、あるいは6番目をQで置換した変異ペプタイドは、野生株のそれに比較して、CTLによる認識効率は著しく低下したが、MHC分子への結合性はより高く、治療用アンタゴニストの候補と考えられた。ウイルス性肝炎の慢性化は、ウイルスが変異により宿主免疫応答から逃避した結果であるといわれている。しかし、HBs-CTLクローンの詳細なエピトープ解析からは、多様なCTL応答の存在下では簡単に起こりえない現象であることがわかった。In vitroにおいてHBs-CTLの認識する標的細胞のcostimulatory signalをブロックすると、CTLの増殖反応、細胞障害性は著しく障害される。これより、十分量のcostimulatory moleculeを発現しない肝細胞が、肝臓内に侵入したCTLを不活性化することにより慢性化機序の一因を担っていると考えられた。costimulatory moleculeの肝臓内への誘導などによる、慢性肝炎への治療応用に向け有用な知見と思われる。
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[Publications] Furuta K, Misao S, Takahashi K, et al.: "Gene mutation of transforming growth factor b1 type II receptor in hepatocellular carcinoma."Int J Cancer. 81. 851-853 (1999)
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[Publications] Kimura K, Ando K, Tomita E, et al.: "Elevated intracellular IFN-g levels in circulating CD8+ lymphocytes in patients with fulminant hepatitis."J Hepatol. 31. 579-583 (1999)
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[Publications] Kimura K, Ando K, Ohnishi H, et al.: "Immunopathogenesis of hepatic fibrosis in chronic liver injury induced by repeatedly administered concanavalin A."Int Immunol. 11. 1491-1500 (1999)