1998 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンをマーカーとした肝癌細胞の転移能の評価と転移抑制の試み
Project/Area Number |
10670519
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
内藤 雄二 関西医科大学, 医学部, 講師 (30198014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中橋 佳嗣 関西医科大学, 医学部, 助手 (70247930)
松崎 恆一 関西医科大学, 医学部, 助手 (70278638)
関 寿人 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70163087)
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Keywords | 肝癌細胞 / インテグリン / 転移 |
Research Abstract |
交付申請書に記した研究計画および方法に従って研究を行い、以下の成果を得た。 1. 臨床検体を用いて、非癌部肝組織および肝癌組織におけるインテグリンサブユニットの発現を免疫組織学的に、あるいは遺伝子工学的に検索した。肝癌細胞にはconstitutiveなインテグリンが発現しており、そのパターンは肝癌細胞の門脈内浸潤と相関していた。さらに、インテグリンの発現は必ずしもそれらの遺伝子発現を伴わないことを明らかにした。 2. 培養肝癌細胞および本研究でライン化された肝癌細胞のin vitroにおける細胞外基質(ECM)との接着能は、インテグリンサブユニットの発現に規定されることを見出した。肝癌細胞のECMへの接着は、RGDやYIGSRなとのアミノ酸配列を含む環状オリゴペプチド(oP)によりほぼ完全に阻害された。 3. ヌードマウスを用いて癌転移モデルを作成した。肝癌細胞の遠隔転移はヒト臨床例と良く一致した。肝癌細胞の移植率、移植局所での発育、さらに各臓器への転移率および転移巣での増殖は、環状oPのアミノ酸配列および投与の有無、投与回数・量に依存した。 本研究の成果により、インテグリンサブユニット発現のパターンが、臨床例においても、遠隔転移の予知・予見に有用であること、遺伝子治療ではインテグリンの発現を抑制困難であること、肝癌細胞の転移を合成OPにより阻害し得ることなどが示唆された。今後、ヒトへの応用に向け、基礎的研究ならびにより多くの臨床例についての検討を予定している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Yanagitani,et al: "Ischania induces metalls thionein III expression in neurons of rat brain" Life Sciences. 64巻・8号. 707-715 (1999)
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[Publications] H.Miyazaki,et al: "Induction of metallothionein isoforms in rat hepatoma cells by various anticancer anup" J.Biochem.124. 65-71 (1998)
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[Publications] M.Date,et al: "Differential expression of transforming growth foctor-β and its receptors in hepatocytes and nonparenchymal cells of rat bitw after CCl_4 administration" J.Hepatol.28. 572-581 (1998)
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[Publications] M.Imamura,et al: "Chance of tempenatore in mouse tumor tissue immerdeal in a water-bath at 44゚C" Oncology Reports. 5. 1061-1064 (1998)
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[Publications] A.Okajima,et al: "Induction of hepatocyte growth factor activator messenger RNA in the liver following tissue injury and acute inflowmation" Hepatology. 25. 97-102 (1997)
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[Publications] 内藤 雄二: "肝疾患研究の新しい展開 Vol.II" メディカルレビュー社(発行者,松岡光明), 183 (1997)