1999 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠呼吸障害に伴う組織低酸素の評価と新しい重症度分類
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10670527
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西村 正治 北海道大学, 医学部, 助教授 (00208224)
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Keywords | 睡眠時無呼吸 / 組織低酸素 / アデノシン / 尿酸 / 心拍数 / 心拍変動 |
Research Abstract |
実験1 : ATP最終代謝産物である尿酸の尿中排泄量は組織低酸素を反映すると報告されているがその証拠はない。睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者18人を対象に睡眠前後の尿中尿酸排泄量の変化率(ΔUA/Cr)と睡眠中の血中アデノシン濃度を測定し、ΔUA/Crが真に組織のATP異化を反映しているか否かを検討した。ΔUA/陽性群は正常群と比較して年齢・BMI・血清尿酸・動脈血酸素飽和度低下・無呼吸指数の程度には差がなかったが、睡眠時血中アデノシン濃度は有意に高かった。n-CPAP治療によって無呼吸が著明に改善した12人のうち、ΔUA/Cr正常群5人ではΔUA/Cr・血中アデノシンの両指標とも治療後に変化はなかったが、陽性群7名では両指標とも治療前に比べて有意に低下し、両群間の有意差は消失した。 実験2 : ΔUA/Cr値でみた組織低酸素の有無が動脈血酸素飽和度低下の指標とは必ずしも平行しないことから、無呼吸に伴う循環器系応答の個体差が組織低酸素の決定因子である可能性を検討した。はじめに、上記18人の睡眠ポリグラフから無呼吸に伴う心拍数変動を、無呼吸中の最低値・変動幅・無呼吸終了後最大値の3指標で比較した。その結果、睡眠呼吸障害諸指標では組織低酸素の有無2群間で有意差がないのに、無呼吸終了後心拍数の増大程度はΔUA/Cr陽性群で有意に小さかった。次に別の28名のSAS患者を対象に組織低酸素の有無と24時間ホルター心電図でみたコンピュータ解析による心拍変動指標を昼間覚醒時と夜間睡眠時とに分けて検討した。夜間睡眠時の心拍変動は交感神経活動・副交感神経活動いずれを反映する指標でみても、組織低酸素あり群ではなし群に比べて低下していた。これらの結果は、SAS患者において尿中尿酸排泄量が低酸素血症の程度には反映されない睡眠呼吸障害に伴う組織低酸素の有無を反映し、心拍変動に代表される循環系応答がその決定因子のひとつであることを示す。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Saito, H., Nishimura, M., Shinano, H. et al.: "Plasma concentration of adenosine during normoxia and moderate hypoxia in humans"Am. J. Respir. Crit. Care Med.. 159. 1014-1018 (1999)
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[Publications] Saito, S., Miyamoto, K., Nishimura, M. et al.: "Effects of inhaled bronchodilators on pulmonary hemodynamics at rest and during exercise in patients with COPD"Chest. 115. 376-382 (1999)
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[Publications] Saito, H., Nishimura, M., Shinano, H. et al.: "Effect of hypoxia on airway responsiveness to methacholine in subjects with airway hyperresponsiveness"Chest. 116. 1653-1658 (1999)