1998 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠呼吸障害におけるメラトニンの動態と治療への応用に関する研究
Project/Area Number |
10670535
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
市岡 正彦 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00176281)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / メラトニン / サイトカイン |
Research Abstract |
【目的】 睡眠は、メラトニンや各種サイトカインなどの内因性生理活性物質によって調節を受けている.一方、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、日中傾眠を主症状とし、無呼吸に伴う睡眠の分断化、低酸素血症、高炭酸ガス血症、胸腔内圧陰圧化などにより上記生理活性物質の日内リズムに異常をきたすことが予想される.本研究では、睡眠呼吸障害による上記生理活性物質の分泌動態異常の有無とOSASの臨床症状との関係について明らかにするため、OSAS患者の睡眠中および覚醒時のメラトニンおよび各種サイトカインの分泌動態を調べた. 【方法】 対象はOSAS患者5例で、被験者に研究の目的と方法を十分説明し、informed consentを得た.睡眠ポリグラフにより無呼吸指数、酸素飽和度の睡眠データを求め、さらに、日中覚醒時および睡眠時に経時的に静脈血採血し、メラトニン、TNF-α、IL-1β、IL-10を測定し、これらの分泌動態と臨床症状との関連について検討した.また、日中傾眠については、Epworth sleepiness scale(ESS)、およびクレペリン作業能力テストを用いて評価した. 【結果】 5例中2例で、TNF-αの夜間の生理的上昇のピークが消失し日中の高値を認めた.うち1例はメラトニンも同様の分泌動態異常を示した.この2例はESSの値が高く日中傾眠の程度も強かった.残り3例についてはメラトニンおよびサイトカインの動態は正常と同様のパターンをとった. 【結論】 TNF-αは睡眠時無呼吸により分泌動態の異常をきたし、OSAS患者の日中傾眠の発現に関与している可能性が示唆された.今後は、同一被験者に経鼻式持続陽圧呼吸(nasal CPAP)の治療を行い、治療前後で上記の動態を比較検討し、無呼吸が直接的にメラトニンおよび各種サイトカインの分泌動態に影響を与えているか否かを検討する予定である.
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