1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670544
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
鰤岡 直人 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (50252854)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 英己 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (80304236)
千酌 浩樹 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (90283994)
|
Keywords | 加湿器 / 相対湿度 / 慢性呼吸不全 / 細菌培養 / 細菌汚染 / 酸素濃度 |
Research Abstract |
従来用いられてきたbubbling humidifierは加湿用の水を用いるため院内感染の原因になるとされてきた.我々は加湿水の不要な膜式加湿器を開発した.原理は室内気の水蒸気を利用する,全く新しい装置である.実験用の試作器を作成し,実験を行った. 承諾の得られた慢性呼吸器疾患の患者10例に使用し,本器に酸素を通過加湿する事による影響を調べるため,動脈血ガス分析を行った.また直接酸素流の酸素濃度を測定した.In vitroの実験として乾燥酸素を加湿用の水を潜らせる,従来用いられてきたbubbling humidifierと膜式加湿器により加湿された酸素の相対湿度を比較した.また,膜式加湿器が細菌の混入を防げるか否かを調べた. 膜式加湿器を使用することで,PaO_2への影響は認めなかった.100%濃度の酸素を加湿した場合の酸素濃度を各々直接,酸素濃度計で測定した結果,97.8±1.2%と97.6±1.1%で有意差を認めなかった.膜式加湿器により,乾燥した酸素(相対湿度:7.1±1.1%)を相対湿度:82.2±10.7%まで加湿できた.一方,従来の加湿器では相対湿度:89.9±2.6%まで加湿できた.膜式加湿器は十分な相対湿度を乾燥酸素に与えることができた. 3×10^8のPseudomonas aeruginosaで,膜式加湿器の膜外を10日間汚染したが,膜内を通過させた酸素流に対して細菌の混入を防ぐことができた. 本器は在宅酸素療法の吸着型酸素濃縮器に組み込むこともできる.患者にとって従来のbubbling humidifierに比べて煩雑な加湿水の交換の手間を省き,さらに細菌感染の機会を減らせる可能性がある.今後は実用化に向けてコスト面と詳細な検討をする予定である.
|
Research Products
(1 results)