2000 Fiscal Year Annual Research Report
肺の線維化と発癌に関する研究:p53、CD44、一酸化窒素合成酵素の発現の解析
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10670552
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 充博 熊本大学, 医学部, 講師 (70253755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐谷 秀行 熊本大学, 医学部, 教授 (80264282)
安藤 正幸 熊本大学, 医学部, 教授 (00040204)
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Keywords | 肺癌 / p53 / CD44 / 一酸化窒素合成酵素 / 特発性間質性肺炎 |
Research Abstract |
(1)肺癌組織および間質性肺炎部分における癌抑制遺伝子p53遺伝子発現 肺癌患者より得られた肺癌組織において、酵母発現システムを用いてp53遺伝子の機能的変異解析し、抗p53抗体の免疫染色ではp53遺伝子異常の有無が不明であったものが肺癌患者組織中63%においてp53に機能的変異が認めるが、間質性肺炎部分を含めた非癌病変部では、p53遺伝子の機能的変異を認めていない。 (2)肺癌組織および間質性肺炎部分における接着分子CD44isoformの発現 接着分子CD44のisoform CD44R1/R2の発現比率から肺癌診断が可能であることを示した。さらに、CD44は癌細胞膜上のMMPによって切断され癌細胞の浸潤、転移に関与することを示唆した。また、CD44切断にはPKC、Ca流入、Rho familyも制御に関与していることを示した。 間質性肺炎部分を含めた非癌病変部ではCD44 splicing patternに差はなく、CD44Hのみが発現し、抗CD44H抗体を用いた場合は癌組織のみならず正常間質も染色された。また、抗CD44R1抗体を用いた免疫組織染色では癌細胞表面が特異的に染色されたが、癌部に隣接した部分の気管支上皮や肺胞マクロファージも染色された。 (3)肺癌組織におけるnitric oxide synthase(NOS)発現とp53遺伝子変異の相関 肺腺癌は他の組織型に較べ有意にNOSが高く、isoformの中でbNOSの高発現を明らかにした。I期肺腺癌を対象としてp53変異とNOS発現は相関し、NOS産生高値群は有意にp53変異の頻度が高く、肺腺癌ではNOS発現が生物学的悪性化に関与することが示唆されたが、間質性肺炎部分においてはNOS発現は一定せずisoform bNOSが高発現が否かは不明である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamanaka T.,Saita N.,Kawano O.,Matsumoto M. et al.: "Isolation of a lactose-binding protein with monocyte/macrophage chemotacric activity Biological and physicochemical characteristics."International Archives of Allergy & Immunology.. 122・1. 66-75 (2000)
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[Publications] Eto H.,Yoon SS.,Bode BP.,Kamidono S.,Makino K.Saya et al.: "Mapping and regulation of the tumor-associated epitope recognized by monoclonal antibody RS-11."Journal of Biological Chemistry.. 275・35. 27075-27085 (2000)
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[Publications] Fujita N.,Shimotake N.,Ohki I.,Chiba T.,Saya H. et al. : "Mechanism of transcriptional regulation by methyl-CpG binding protein MBD1."Molecular & Cellular Biology.. 20・14. 5107-5118 (2000)