1999 Fiscal Year Annual Research Report
SCIDマウスを用いたヒト気道アレルギー性炎症モデル作成とその病態解析:喘息治療への応用
Project/Area Number |
10670553
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
興梠 博次 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00178237)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 正幸 熊本大学, 医学部, 教授 (00040204)
|
Keywords | 喘息 / アレルギー / SCIDマウス / 粘膜免疫 / リンパ球 / 気管支 / 炎症 / 炎症モデル |
Research Abstract |
SCIDマウスに肺癌による手術で得られた気管支組織を移植した後に、移植気管支組織内のリンパ球の動態について検討した。その結果、気管支粘膜固有層のリンパ球は、1ヶ月後から有意に減少し、その後、ほとんど消失した。それに反して、粘膜上皮内のリンパ球数は、有意な変化がなくそのまま維持された。それらのリンパ球はT細胞であり、移植前はCD8細胞がCD4細胞よりも多かった(CD4/CD8=0.6)が、移植後はその関係が逆転した(CD4/CD8=5.2)。気管支粘膜上皮細胞内のリンパ球の維持をつかさどるサイトカインを予測して免疫組織染色をするとIL-7、stem cell factor、ICAM-1、HLA-DRが気管支上皮に発現していることが確認された。このように移植したヒト気管支上皮のみにリンパ球が長期生存しうるには上皮細胞と密接な情報交換をしていることが予測され、何らかの粘膜免疫に重要な役割を担っていると考えられる。 次に、気管支組織を移植したSCIDマウスにダニ抗原に対するIgERAST高値の喘息患者および健常者の末梢血単核球の末梢血単核球を分離して腹腔し移植し、移植気管支へのリンパ球の移行性を検討した。その結果、喘息患者の末梢血単核球を移植した群は、有意に気道へのCD3の移行性が高いことが認められた。この事実は、喘息患者のリンパ球が気道組織に親和性が高い機能を持つものとして重要と考えられる。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Eisuke Goto: "Human bronchial intra-epithelial T lymphocytes as a distinct T cell subset:Their long-term survival in SCID-hu chimeras."Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.. (in press).
-
[Publications] Hirotsugu Kohrogi: "Clinical conference:insidious onset asthma without episodic dyspnea."International Review of Asthma. 1. 88-93 (1999)
-
[Publications] Hirotsugu Kohrogi: "The role of cysteinyl leukotrienes in the pathogenesis of asthma:clinical study of leukotriene antagonist pranlukast for one year in moderate and severe asthma."Respirology. 4. 319-323 (1999)
-
[Publications] 平田奈緒美: "喘息予防・管理ガイドライン"医薬ジャーナル. 35・11. 2883-2886 (1999)
-
[Publications] 興梠博次: "慢性咳嗽の治療と神経ペプチド"治療. 81(増刊号). 72-75 (1999)
-
[Publications] "気管支喘息における咳嗽の機序とその制御"アレルギー科. 6. 431-436 (1998)
-
[Publications] 後藤英介: "アレルゲン特異的T細胞におけるホーミングレセプター発現 気道過敏性研究1999."相澤久道、浅井貞宏、久保千春、興梠博次. 40 (1999)
-
[Publications] 濱本淳二: "気管支喘息患者気道組織における樹状細胞の免疫組織化学的検討 気道過敏性1998."相澤久道、浅井貞宏、久保千春、興梠博次. 41 (1998)