1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子ノックアウトマウスを用いた気道炎症におけるヒスタミンの生理活性の解析
Project/Area Number |
10670557
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 浩 東北大学, 医学部, 講師 (60250742)
|
Keywords | ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC) / ヒスタミン / ノックアウトマウス / 遺伝子発現 / 気管支喘息 / サイトカイン |
Research Abstract |
ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)はL-ヒスチジンからのヒスタミン生成を触媒する酵素であり、肥満細胞や好塩基球など極めて限られた細胞でのみその発現が認められる。このHDC発現の分子機序を明らかにする目的で実験を行った。ヒト好塩基球性白血病細胞株:KU-812Fとヒト肥満細胞株HMC-1はHDCmRNAを発現しているが、K562やHelaではその発現がないことがノーザンブロットから示された。この差がHDC遺伝子からの転写に差が有るか否かを明らかにする目的で、各細胞より核を抽出してnuclear run-on assayを施行した。その結果核内の新生HDCmRNAはKU-812とHMC-1のみ存在することが明らかにされ、転写調節に関与するHDC遺伝子プロモーターの解析を行った。種々の長さのHDCプロモーター遺伝子をルシフェラーゼをレポーター遺伝子とするベクターをHeLa,K562,HMC-1の各細胞にトランスフェクトした結果、全ての細胞で活性を認めた。またHDCプロモーター遺伝子のdeletion解析やプロモーター遺伝子内GC Boxの変異解析により、HDC遺伝子発現にはGC Boxが重要と考えられる。ただゲルシフトアッセイの結果はHeLa,K562,HMC-1,KU-812-Fの細胞間でSp1のGC Boxへの結合には差が認められなかった。次ぎにHDC遺伝子のプロモーターの構造を調べる目的でDNAase Iに対する感受性を調べると、HMC-1やKU-812-Fは分解を受けやすく、HeLaやK562は分解を受けなかった。このようなDNAaseに対する感受性はDNAに対するメチル化の差によることが報告されており、各種細胞のHDCプロモーター遺伝子のメチル化を調べるとHeLaやK562においては転写開始点付近のCpGはほとんどメチル化されているのに対してHMC-1やKU-812-Fではメチル化されておらず,この差がHDC遺伝子発現の差につながっていると結論された。
|
-
[Publications] A.Kuramasu et al: "Mast cell-/Basophil-specific transcriptional regulation of human L-histidine clecarboxylase guu by CpG methylation in the promotar region" J.Biol.Chem. 273. 31607-31614 (1998)
-
[Publications] H.Ueno et al: "Expression of human histidine deconboxylase in Sacharomyus ccvevisae" J Biochem Mol Biol & Biophys. 2. 141-146 (1998)
-
[Publications] K.Maeda et al: "Induction of L-histidine deconboxylase in a human mast cell like HMC-1" Exp Hematol. 26. 325-331 (1998)