1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子ノックアウトマウスを用いた気道炎症におけるヒスタミンの生理活性の解析
Project/Area Number |
10670557
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 浩 東北大学, 医学部, 講師 (60250742)
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Keywords | ヒスタミン / L-ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC) / 気管支喘息 / 気道炎症 |
Research Abstract |
HDC遺伝子ノックアウトマウスにおけるアレルギー性炎症の解析 生体のアレルギー反応におけるヒスタミンの役割を明らかにする目的で、哺乳類では唯一のヒスタミン産生酵素:ヒスチジン脱炭酸酵素(L-histidine decarboxylase:HDC)の遺伝子ノックアウトマウスの製作を行い,完成した。このマウスは全身のヒスタミンを欠如し,ヒスタミン欠如モデルとして有用である.このHDC遺伝子ノックアウトマウスを用いてアレルギー反応を惹起して野生型のそれと比較した。 卵白アルブミンで感作したHDC遺伝子ノックアウトマウスにこの抗原を暴露して皮膚の血管漏出反応を調べた。血管外への漏出は血管内に注入した色素エバンスブルーの量を計算することにより推定した。結果はHDC遺伝子ノックアウトマウスにおいては皮膚の即時型アレルギー反応の際、野生型には著明にみられる組織の浮腫即ち血管漏出反応がまったくみられなかった。またヒスタミンを外側から食餌性に補充したマウスにおいて,消失していた漏出反応が再現された.これらの事実より,即時型アレルギー反応における血管漏出反応は,ヒスタミンによるものである事が明らかになった.加えて、HDC遺伝子ノックアウトマウスにおいては、全身性のアナフィラキシー反応などが強く抑制されていることもあきらかとなった。その他、現在,表現型を解析中であり,行動,アレルギー反応,炎症反応などに興味深い現象が見つかってきている.以上のようにHDC遺伝子ノックアウトマウスの実験結果よりアレルギー反応におけるヒスタミン生理作用がより明確にされた。 現在ヒスタミンを逆に高発現するトランスジェニックマウスの作製も完了した.今後,これらのマウスを使い全身的なヒスタミンの機能を明らかにしていくつもりである.
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[Publications] Pan L-H et al.: "Inhibition of binding between E and P selectins and SLex molecules suppresses the inflamm*tory responces inhyper-sem*tivity phlamonitis ion mice"Am.J.Respir Crit Cave Meal.. (in press). (2000)
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[Publications] Heinzman A et al.: "Genetic variants of IL-13 signaling and human asthmr and atopy"Human Molecular Genetics. (in press). (2000)